日本企業の苦境「失われた30年」の原因、(2)新製品開発スピードが相対的に遅くなる として下記を取り上げました。

   第2期になると、企業環境変化のスピードは相当に早くなります。当然、新製品開発スピードは、以前の何倍かが要求されます。しかしながら、標準プロセスが無ければ、その上に自社独自プラクティス(うまいやり方)を開発・搭載できません。第1期のように、新製品開発を個人の能力だけに依存してしまえば、組織全体での設計・開発のスピードが上がりません。一方、諸規制対応はかなり増加しており、設計開発で考慮すべき事は相当に増えています。((3)で後述)。

  この結果、日本の電気業界での完成品メーカーはほとんど消滅し、残るのは部品や材料メーカーだけになっています。また、標準プロセスが無ければ、グローバルでのコンカレント設計・開発も不可能です。これらが、R&Dに欧米企業並みの投資をしながら、日本企業の利益が出ない主原因でしょう。

本ブログでは、(2)を補足します

        新製品開発スピードの最初の象徴は、2000年前後からの自動車の新車開発期間の短縮であり、以前の1/3~1/4でなければ市場競争に参加できません。一方、新製品開発における諸規制対応はかなり増加しており、設計開発で考慮すべき事は相当に増えています。((3)で後述)。

  また、この独自プラクティスというのは、新製品開発に限定されません。第1期に日本は、これを日本人の優秀さという個人的能力に依存していました、第2期でそのままでは、『失敗の本質』に書かれた日本軍の敗戦と全く同じ構図(この名著は4-5回、繰返し読んだ)。  

  たとえば、3M社では標準化されたプロセスによって、コンカレント開発を可能にした上で、各プロセス上に6シグマを応用して開発した自社独自のプラクティスを搭載しています。そして、これを全世界の設計開発拠点において共有しています。

  私が、ビジネスアナリスト育成を支援している製造業でも、材料の各設計・開発プロセス上に、多くの独自プラクティスを開発・搭載しています。

  また、このプラクティス自体は細部まで完璧でなくとも、これを利用した事例を見ることによって他の人が学べるという組織学習効果があります。それによって、効果は上昇し続けます。同一人員で売上8倍⇒事例A