ここでは、ビジネスアナリストに必要なスキルと習得方法、およびGUTSY-4によるビジネスアナリスト育成メニューについて説明します。

 3.2.1⇒ビジネスアナリストに必要な3つのスキルとGUTSY-4によるカバー
 3.2.2⇒業務、戦略、プロセス、IT要求開発などのビジネスアナリストの知識・スキル体系
 3.2.3⇒ビジネスアナリストの全8つのカテゴリーのスキル体系
 3.2.4⇒ビジネスアナリスト育成メニュー(自己学習、集合研修、OJT)

3.2.1 ビジネスアナリストに必要な3分野のスキル、GUTSY-4によるカバー

(1) ビジネスアナリストに必要な3つの分野のスキル

3 three skills for business analyst.jpg

ビジネスアナリシスに関するスキル
  ビジネスアナリシスに必要な方法論・技法・
  ツール・リファレンスなど
適用分野の業務に関するスキル
  適用分野の業務に関する具体的な機能や
  プロセスなど
一般的マネジメントに関するスキル
  コミュニケーション、論理思考やマネジメントなど

(2) スキルと知識の違い(再掲)

  ビジネスアナリシスに必要なのは、スキル、すなわち実践能力のことです。単なる知識だけでは、ビジネスアナリシスはできません。知識体系であるBABOKをよく読めば、組織のプロセス資産として、たとえば、「方法論、標準アクティビティ、成果物のテンプレート」が整備されていることを前提としています。BABOKは方法論やプロセスではないのです。

(3) GUTSY-4による3つの分野のカバー

  この3つの分野のスキルを身に付けるのは並大抵ではありません。BABOKでいうプロフェッショナルCBAPでは、実務7,500時間(ほぼ最低 10年の実務経験)の経験を要求しているのは当然でしょう。

  一方、ビジネスアナリシスをエンジニアリングした方法論GUTSY-4では、3つの分野を次のようにカ バーしています。

ビジネスアナリシスに関するスキル

    ⇒ GUTSY-4:WBS/アクティビティの機能と説明、技法、ツール、アウトプット例など

適用分野の業務に関するスキル

  ビジネスアナリストは、業務実行者ではありませんので、「狭く深い」のではなく、むしろ「広く浅い」というような業務知識が必要になります。

      ⇒ 業務参照モデル:プロセス参照モデル、用語集、標準ITシステム機能など

一般的マネジメントに関するスキル

  ⇒ GUTSY-4:技法として、たとえば、ファシリテーションや構造化など

3.2.2 GUTSY-4によるビジネスアナリストの知識・スキル体系

  GUTSY-4と業務参照モデルを中心としたビジネスアナリシスに必要な知識・スキル体系は、BABOKを含めて下図のような構造になっています。








®

BABOK®







共通基盤
コミュニケーション 論理思考 信頼獲得 コンピテンシー特性

戦略
プロセス改革
  • 経営概論
  • 企業概要
  • 戦略分析
  • プロセス改革
    設計、合意形成
BPM
プロセス改善
  • プロセス概論
  • レベル4プロセス調査と設計
  • レベル5プロセス調査と設計
  • 標準化など
IT要求開発
ITシステム構築
  • IT要求概論
  • IT要求定義
  • 定型プロセスのIT化
  • 非定型プロセスのIT化
プロジェクト
マネジメント
  • プロジェクトマネジメント
  • リスクマネジメント
  • 品質管理

 

3.2.3 GUTSY-4®によるビジネスアナリストのスキル体系

  GUTSY-4と業務参照モデルによれば、ビジネスアナリストのスキル項目の最も重要な部分においては、教育ではなくビジネスアナリシスのプラクティスすなわち「型」に対する「訓練」となります。

(1) スキル項目

10.コミュニケーション

01.コミュニケーション
 概論

10.メッセージ受信

20.情報処理

30.メッセージ送信

70.ファシリテーション

20.論理思考

01.論理思考概論

10.抽象化

20.構造化

30.因果関係

40.システム思考

30.信頼獲得

30.信頼獲得

40.企業全体の業務

01.バリューチェーン

04.業務の階層性

06.業務参照モデル

10.マーケティング業務

20.人的販売業務

30.開発・設計業務

40.サプライチェーン
 業務

50.顧客サービス業務

80.経理・財務業務

90.企業のリスクマネジ
 メント

業務参照モデルの訓練

50.戦略・プロセス改革

01.経営システム概論

10.ビジネス概論

フェーズ全体

フェーズⅠ

フェーズⅡ

イノベーションの立案

エンジニアリング手法の訓練

60.BPM

01.ビジネスプロセス
 概論

10.プロセスモデリング
 概論

フェーズⅢ

フェーズⅣ

エンジニアリング手法の訓練

ソリューション要求(非IT)
の定義

同上、詳細

70.IT要求開発

01.IT要求理論

10.IT要求モデリング

フェーズⅠ

フェーズⅡ

フェーズⅢ

フェーズⅣ

エンジニアリング手法の訓練

4つのフェーズ

ビジネス要求の定義

ステークホルダ要求の定義

ソリューション要求(IT)
の定義

同上、詳細

90.プロジェクト

01.プロジェクト
 ライフサイクル

10.プロジェクト
 マネジメント

フェーズⅠ:戦略~戦術レベル
フェーズⅡ:プロセス改革レベル
フェーズⅢ:プロセス改善レベル
フェーズⅣ:プロセス実行レベル

(2) スキル項目の習得方法

       Learnning by Doingがよく言われますが、BABOKのような一般的知識だとその実践に多くの時間を要してしまいます。

      プラクティスだとすぐに実践できるだけでなく、OJTに要する時間も大幅に短縮できるのです。知識・スキル習得の4つの方法

  事例Cでは、これを「入社2-3年生でも戦力になる」と評価されました。

OJTによる方法

       事例B:東京海上日動システムズ社のOJITでは、若手SEに毎週の前半において、ビジネスアナリシスに関する知識とスキル、および適用分野の業務に関する知識とスキル、この両方の座学教育。そして、週の後半で実際のビジネスアナリシスOJTを繰り返しました。この長所は育成期間が短く済みますが、OJTのためインストラクターの工数が多くかかってしまうという短所もあります。

一定期間の集合研修による方法

 ①ビジネスアナリシスに関する知識とスキル⇒GUTSY-4によるビジネスアナリシス研修風景

 ②適用分野の業務の知識・スキル⇒適用分野の業務の知識・スキルの習得方法

自己学習による方法

 全てを自己学習という訳には行きませんが、Webによる自己学習を経れば集合研修の期間を半減できます。

 

3.2.4 GUTSY-4によるビジネスアナリスト育成メニュー

  東京海上日動システムズ社の場合は、ビジネスアナリシスも業務も全く知らない25歳のSE達にいきなりOJTした訳ですが、通常は、自己学習、集合教育、OJTの3段階に分かれます。以下の研修・育成事例は、3.3を参照のこと。

(1) 自己学習  

  自己学習教材を利用して自分だけで学習します。演習問題や実例によって、Practice Learning を行います。これによって、集合教育の時間をかなり短縮できるのです。

ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4自体 

■GUTSY-4、および概要レベルの自習教材(一般公開)

       戦略からレベル4プロセス設計、IT要求定義、IT導入までのフェーズⅠ~Ⅳの概要について、成果物例によって追いかけながら、WBS・アクティビティを学習できます。   

  02_GUTSY-4_全体・フェーズ別WBSフローV2.1.pdf

  02_ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4_2章v24.pdf 等 ⇒ダウンロードページ

■ライセンス契約者だけの自習教材

 ・第3章:フェーズⅠ概要、第4章:フェーズⅡ概要、第5章:フェーズⅢ概要、第6章:フェーズⅣ概要 各40ページ

 ・事例A解説の成果物説明によって、各フェーズのWBS・アクティビティをさらに深く理解する

 ・ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4_コンセプト・用語説明集(380ページ) 

 ・ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4_技法・ツール等一覧表(596ページ) 等

 ・Web自己学習コンテンツ <開発中、現在は一部公開中>

適用業務分野  

  「一般的概念・用語の一覧」による業務用語集を含めた業務参照モデルそのものの自己学習。演習問題が20問ほどあります。

(2) 集合研修

  自己学習が終了して、パイロットプロジェクトの開始前に実施。GUTSY-4自己学習で不足した部分、およびパイロットプロジェクトで想定されるWBS・アクティビティなどを対面教育で補完します。

ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4自体

  ビジネスアナリシス下流コースとして、現状プロセスの調査・記述から始まるフェーズⅢの詳細について、必要な一般的概念や用語説明を含めて、成果物例によって追いかけながら、WBS・アクティビティを研修します。

適用業務分野

  業務分野を「調達・製造」、「受注・出荷・返品」「商品企画・設計・開発」「マーケティング・人的販売・顧客サービス」の4つの領域に分割して、研修します。⇒業務知識研修事例

一般的マネジメントスキル

  ファシリテーションや論理思考などを研修日数に応じて組込み。

(3) パイロットプロジェクトでのOJT

  実際のパイロットプロジェクトをOJTで支援、これはPractice  Learning by Doingであり、OJTの様子⇒事例B③

①適用WBS・アクティビティの選定

②顧客とのワークショップ出席  

  私が出席した場合、東京海上日動システムズ社の事例のように、対顧客の前では私は一切、発言せず、終了後にOJTメンバーに注意事項を伝えます。

③成果物のレビュー  

  これは、ネット上でほとんどできますが、対面した方が良い場合もあります。

カテゴリ