ビジネスアナリスト研修に関する補足説明のコーナーです。

       前回で、現状プロセスの調査・記述、プロセス課題の抽出、上位設計からの構造化、そして新しいプロセス設計を完了しました。その4点の成果物は、プロセスフロー、個々のプロセス詳細記述書、インプット・アウトプット説明書、業務ルール説明書です。

       プロセス参照モデルを利用することで、これらの成果物を正確に完全に、そして効率的に作成できることを、前回までに学び、演習で実践しました。

8回、第9回の様子を紹介します。 第7回:5/24(土)の様子

6月13日(金) 

フェーズⅢ:WBS説明  ビジネスプロセスから概要レベルIT要求の引き出しと優先順位付け

第8回目のシラバス  は演習 はテキスト以外のコンテンツ

8-1 演習(プロセス構成要素×CobiTでIT要求を引き出す)

      前回の宿題として、各自、ビジネスプロセスを一つ設定して、自分が開発を経験したITシステム機能を思い出して記入してもらいました。その中から、あるメンバーが7-8年前に開発したsES.04-0(調達プロダクトの在庫計画の実施)というプロセスを選んで、他のメンバーから「IT要求引き出しシート」を利用した質問をすることで、実際にそのIT要求があったかどうかを思い出してもらい、結果として5-~6倍ほどの量のIT要求を追加することができました。

  「IT要求引き出しシート」とは、12種類のプロセス構成要素書と7種類のCobiT情報要請規準の組合わせによって、約60個の要求質問を生成できるという、GUTSY-4の技法シートです。ビジネスプロセスを完全なメタモデルによって記述するというのは、間接的な業務観察法です。

8-2 【350】ビジネスプロセスからのIT要求の定義

8-3 ビジネスプロセスからのIT要求の定義(事例)

8-4 【351】IT非機能要求の定義

    「IT要求引き出しシート」による質問からは、機能要求だけでなく、非機能要求も引き出せます。

8-5 【352】IT要求の優先順位付けの方法

8-6 演習(IT要求に優先順位付けする)

       今回は、フェーズⅢからスタートしていますので、ITビジネス要求との関連付けによるIT要求の優先順位付けはできません。代わりとして、Robertson夫妻の「優先付けシート」によって、8-1 演習結果について優先順位付けを行ってもらいました。

8-7 意思決定系プロセスからのIT要求定義

       ビジネスプロセスを完全に記述すれば、【350】定型的プロセスからのIT要求の定義だけでなく、【360】非定型、意思決定プロセスからもIT要求を定義できるのです。後者のタイプのプロセスは、今までIT利用の対象から除外されてきたブルーオーシャン領域です。

6月14日(土) 

フェーズⅢ:WBS説明 RFP作成とITソリューション選定

フェーズⅣ:WBS説明 概要、ルール、情報エンティティの定義、IT構築(非定型)、概要レベルのIT要求の詳細化、ITシステム分析

第9回目のシラバス  は演習 はテキスト以外のコンテンツ

9-1 プロジェクトライフサイクルとプロジェクト計画
9-2 【372】RFP作成、【374】ITソリューション選定

       出席者に質問しましたが、かなりヒドイRFPがあると・・・・曖昧な要求(目次だけRFP)、強く影響するシステム概要が書かれていない(きっと出来レースだろう)。

        NASAのプロジェクト成功の経験則だと全体の20%、建設業界だと全体の10%の費用をRFPまでに費やすのに、こんな状況ではITプロジェクト成功率が低いのも当然でしょう。IT導入プロジェクトでは、GUTSY-4のフェーズⅠ~Ⅲは、フェーズⅣのIT導入へのプロジェクト憲章(含むIT要求)を作成するためにあります。

9-3 ベンダー選定

9-4 フェーズⅣ概要  ここからフェーズⅣです。

9-5 【410】業務ルールの詳細設計と定義
9-6 【412】情報エンティティの詳細設計と定義

       この2つのWBSは、レベル4プロセス設計の結果としての業務ルール説明書とインプット・アウトプット説明書から、それぞれ業務ルール定義書と情報エンティティ定義書を作成するもので、定型的や非定型的(意思決定系)プロセスの両方に対して実施します。

9-7 【420】現状のレベル5プロセスの調査・記述

       レベル4プロセスの配下として、レベル5としてどんなプロセスが存在するかを、業務イベント分解法によって仮説しながら、レベル5プロセスを調査・記述します。仮説がない調査・記述は、膨大な工数を無駄にしてしまいます。

9-8 【425】レベル5IT要求定義(意思決定業務)

9-9 意思決定業務のITシステム事例

8-7で定義された意思決定系プロセスでのIT要求に対して、フェーズⅣではこれをBPMの観点を加味し詳細化して、ITシステムを構築します。BPMツール(サイボウズ社のkintone)を利用したITシステム事例は、ブルーオーシャン領域でのアジャイル開発そのものです。9-9は、ETO品の売上を約2倍にしたシステムです(事例A①)。

9-10 レベル5IT要求定義の動向(定型業務)
9-11 【431】レベル5IT要求定義の方法
9-12 【431-21、431-22】システム分析

9-12におけるCRC分析やERPフィット・ギャップ分析では、前半工程は要求分析です。要求分析ですから、システム分析者はその高い業務スキルを利用して、概要レベルの粗いIT要求を詳細レベルにブレークダウンした後、ITソリューションに依存するソリューション設計を行います。

       システム分析者に要求分析に必要な業務スキルがない場合には、上記9-11を実施しなければなりません。ユーザ企業側がIT要求定義を満足にできない以上、ITベンダー側が「あなたのIT要求は何ですか」という安易なIT要求確認で済まそうとすれば、要求トラブルになるのは必至です。

 

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