ビジネスアナリスト研修に関する補足説明のコーナーです。

  ビジネスアナリストには、ビジネスアナリシス、適用分野の業務、一般的マネジメント、この3つの分野の知識とスキル(実践能力)が必要なことは既に述べました。⇒ビジネスアナリストに必要な3つのスキル  そして、知識、およびスキルには以下の4つの方法があります。

1.知識学習だけで習得する  Learning

  書籍やセミナーなどから知識を学ぶ方法です。この方法の長所は、広い範囲を比較的、短期間で学べることです。しかし、一方で、知識だけをいくら積み上げても絶対にスキル(実践能力)にならない短所があります。私が、知識体系BABOKを活用するのは、方法論GUTSY-4で強化すべき点のチェックリストとしてです。たとえば、形式検証というアクティビティを明確にする際には、BABOKは役立ちました。

実践だけで習得する    Doing

  職人が親方の背中を見て、その技能を学ぶという方法です。この方法の長所は、経験という実感が籠った深いスキルが身に付くことです。しかし、一方で、経験を積むのにかなり期間を要してしまいますので、習得できる範囲が狭くなってしまう短所があります。特に、適用業務に関しては、ビジネスアナリストは業務を遂行する主体ではありませんので、現場での狭く深い経験を積む必要はあまりないでしょう。プロゴルファーのコーチのような存在ですから。

3.知識学習と実践を繰り返 Learning by Doing

  学んで実践する、そしてまた学ぶということを繰り返す方法です。この方法の長所は、幅広い範囲のスキル習得に実践だけよりも短く済むことです。しかし、一方で、知識はすぐには実践できないので、その試行錯誤に一定の時間を要してしまうことです。狭い範囲の技術を習得するのには有効ですが、ビジネスアナリシスという広い範囲に対して、BABOKだけではどう実践するのか、それにかなりの試行錯誤を繰り返すことになります。

4.プラクティスを学習し、実践に適用する Practice Learning by Doing

  プラクティスとは、「ある結果を得るのに最も効率のよい技法・手法・プロセス」のことであり、プラクティスを学んで実践適用して経験を積む方法です。ビジネスアナリシスのプラクティスがGUTSY-4、業務知識のプラクティスが業務参照モデルとなります。

  この方法の長所は、プラクティスという形式知化されたノウハウをすぐに実践でき、習得期間が最も短くて済むことです。日本の全ての伝統的武芸には、流派ごとの型(プラクティス)があります。

  短所は、ビジネスアナリシスでいえば、多くのノウハウが暗黙知のままで、プラクティスがもともと稀少なことです。特に、ビジネスアナリシスのようなコンサルティングでは、ノウハウを持つコンサルタントはそれを所属組織へも外部へも出さない傾向があるからです。そして、ノウハウを持つ多くの人は、自分のそれを形式知化することが苦手なこともあります。

  もう一つの短所は、型なので一定の前提条件を持つことです。GUTSY-4は、ビジネスプロセスを中心にルール、組織・人、ITを考えて行きますので、最初から大きな組織改革を検討するのには不向きと言っていいでしょう(組織設計のレビューには有効ですが)。したがって、日本の伝統的武芸では、型に対して「守・破・離」という考え方があるのです。

  あなたは、以上の4つのうちのどれを選択しますか?

 

 

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