事例紹介に関するコーナーです。

  今野好浩氏は、そのまま大手部品メーカに在籍していれば、間違いなく役員クラスになる人材ですが、父親が創業した今野製作所の2代目に転身しました。

  早稲田大学の政経学部出身で中小企業診断士でもある彼は、私にこう尋ねます。「渡辺さん、この問題は何のフレームワークを使って考えるのが、一番いい?」。普段はこれで終わってしまう(笑)。

  以下に、事例にも掲載したGUTSY-4を適用した時の、今野社長の感想をそのまま転載します。

---------------- 【トップダウンアプローチでの社長の悩み】 -----------------------------

●経営者として描く戦略、方針を、信頼できるコンサルに客観的に検証してもらうことの心強さ。思わぬ死角、洩れ、偏りが自分にないか、不安払拭。

●戦略、方針を、リーダー層、社員に浸透させることは、小規模企業であっても難しいこと。社長の一番の悩み。そこに外部の力を借りたい。

●経営課題としての問題認識を、俯瞰して、その因果関係を冷静に分析することが重要。そもそも問題点だらけの中小企業。優先順位付け。

●経営課題を認識している社長でも、解決手段に明るいわけでは無い。

●ましてや、情報技術のスキルを自分はもっていない

●ITベンダーからの解決手段の提案は、なんだか欺されているような。

●トップダウン&ITベンダーの提案でITを導入しても、現場がまったくついてこれない。マスタ整備ができない。(失敗経験ばかり)

●現場が感じている日常の問題点は、社長のポジションから観ると、些末な「どうでもいいこと」にしか見えない。

●ITカイゼン(注)の推進をどうするかの、担当者育成方針、研修会への参加、コンサルの活用など、経営者の意志決定、ふんぎりが大切

●「IT経営」。社長はなにも「狭義のIT」に詳しくなくてもいいが、業務プロセスの理解と、業務全体の俯瞰能力があれば、いいのでは。

---------------- 【現場のボトムアップアプローチにおける課題】 ----------------------

●率直な話し合い、ぶつかり会いを逃げては、どんなカイゼンも絵に描いた餅

●各部門の担当者は、お互いに自分の主張だけをする。

●会社は小さくても、自分が担当する仕事以外は、思ったよりも見えていない。

●小さい会社は、ひとりのできる担当者が、複数の業務機能を兼務し、パラレル処理をしている。(「中小企業は小回りが効く」のはこのため。) このため、かえって本来の「業務プロセス」「業務機能」「情報のながれ」が、こんがらがって、自分達も、わからなくなっている

●被害者意識。おれはやっている。あっちは、やっていない。

●現場は、近視眼的。業務プロセス全体、情報のつながりが見えていない。

●そんなメンバーだけ話し合い、ぶつかり合っても、結果が出ない

●社長が言っている戦略的な話は、ちっとも判らない。もしくは、社長が言っている戦略的な話は、わかるけど、だからどうするの?

●現場は、問題だらけで、どこから手を付ければいい?

●20歳の現場の新入社員(高専卒)にやらせてみたら、「IT」「パソコン」はやたら詳しい。聴けば両親はSE。でも業務はまだ知らない。

---------------- 【トップダウンとボトムアップの融合の成果例】 -------------------

●30人規模の会社。専任のIT担当者はおけない。 当社の場合、業務マネージャー(42歳、女性)、設計担当者(27歳)、業務担当者(32歳、福島工場、女性)、現場製造担当(20歳、現在育成中)がITカイゼンの中核メンバー。3年かかって、ようやく体制ができつつある。

●業務を自分たちでカイゼンしていくのだ、という組織マインドの醸成

●葛藤を乗り越えて成果がでたときの、担当者としてのやりがい・自信

●「ずいぶん、やりやすくなったよね~。」「いや、でも、まだまだですよ」  「こんどは、ここやろうよ」と語り会う現場社員。飲み会の席で。

●業務の流れの理解が深まり、判断する力がついてきた(測定できないけど)

●「原因はなんだ?」「根本的な解決策はさ~」などという会話が聞かれるようになった。

●Contexer(注)で業務アプリをつくってきた設計担当者(27歳、社歴3年)は、業務全般に関して、驚くほどの急成長。すでに、かなりマネージャー視点。

(注)

ITカイゼンとは、業務のムリ、ムダ、ムラをなくすために、現場が中心となって情報の流れをよくすること。

コンテキサー(Contexer)とは、ITカイゼンのツールであり、法政大学デザイン工学部システムデザイン学科、情報マネジメント研究室の西岡靖之教授によって開発された情報連携ツール。

以上

 

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