メールでこのような記事が送られてきますが、私は自分の経験から大いに疑問を抱きます。

  データ分析のためには、正確でモレのないデータ収集が不可欠、これにはの個人ベースでない組織としての標準プロセスの存在が大前提となります。以下、私の失敗経験を紹介します。

  

  2000年当時、私は在籍企業において、CRM+ERPを起案して、導入のプロジェクトマネジャーになりました。しかしながら、高価なCRMはすぐに利用を諦めました。組織として統一された標準プロセスの存在を大前提としていることに気付いたからです。開発元の米国ではそんな事は「当たり前」ですから、どこにもそれを書いてありませんでした(笑)。

  営業は確率論、様々な事情で良い営業が必ずしも成功する訳でない。段階的に組織のリソースを注入すべき受注可能性の高い商談に絞り込んでいく(いわゆるファネル管理)。これは、個人別ではなく、組織で統一された標準プロセスがあってこそ実現可能。こうした判断を支えるのがCRMに定義し格納すべき顧客の属性となります。

       私は稟議を上げたものの、すぐにCRMはバレないように、部分活用だけに切り替えました。

  これも20年前に知った「P&G社の3層アーキテクチャー」。①製品の包装までを含むコード体系の統一、②これを取り扱うプロセスの標準化、この2つにより信頼できるデータが生成されて初めて、③データ分析によって、グローバルな経営の意思決定に利用できるインテリジェンスを提供できる。全世界でのコード統一は極めて大変です。そうでない日本企業が取り組めば、10年間は要するでしょう。

  さらに、データ分析に統計解析理論を利用しようとすると、数万件から10万件以上の正確なデータが必要になります。当たるも当たらぬも八卦でなく、本当にデータ分析を行おうとするならば、CRM導入の前に行うべき事があります。

  もし、営業マンにデータ収集を精神訓示したとします。しかし、営業マンの人事評価が相変わらず、受注や売上だけならば、データは収集できません。それとも、あなたが営業マンだとしたら、精神訓示だけでデータ収集を頑張りますか?

       CRMが活用されるためには、単にITツール導入だけでは駄目です。IT以外の諸々の条件を整備しなければなりません。それを行うのが、ビジネスアナリシスです。米国では、ITツール導入の前のビジネスアナリシスに総費用の半分以上を投入していると言われています。

      今はやりの用語でいえば、SoE(Systems of Engagement)のためには、日本では先ず組織での標準プロセスの制定が先決です。SoEを実現したシステムによって、ETO品の売上を10倍にしたのが事例Aなのです

  SoE用のITツールだけ導入しても「箱もの投資の安物買い」。BPOもプロセスが標準化されていなければ成立せず。でも、本当の事を書くと記事がかなり重くなり、読者に受けないでしょうね。マスコミも辛い!