ITに関係する要求には、ビジネス要求、ユーザ要求、ソフトウェア要求(システム要件)という分類があります。

 

1.ビジネス要求 Business requirements

  ITによって達成したい目的、すなわち戦略やビジネスモデルの実現、経営上の業務課題の解決のことです。BABOKでは、これを経営陣からのビジネス要求、および社内外のステークホルダからのステークホルダ要求、この2つを区別しています。

2.ユーザ要求 User requirements

  ユーザ (エンドユーザを含む)が実際にITを使用して行う必要がある業務機能のことです。ビジネス要求を反映したものかどうかの整合性が重要です。

  ユーザ要求はユーザクラス(情報参照ユーザや頻繁に入力するパワーユーザなど)によって異なってきます。たとえば、頻繁に入力するパワーユーザの要求ばかりを取り上げると、時々入力するだけの業務ユーザには不要で煩雑な機能となってしまいます。ユーザクラス間のバランスを取って、ユーザ要求を定義しなければなりません。

  BABOKでは、非ITのソリューション要求、およびITのソリューション要求を区別していません。後者が、上記のユーザ要求となります。

3.ソフトウェア要求 Software requirements

  ITシステムで実現すべきソフトウェア機能のことです。ユーザーがこの機能を使用して仕事をすることで、ユーザ要求を満たすことになります。一般的に「要件」とか「システム要件」と呼ばれるのはこのソフトウェア要求のこと。

4.種類の要求の違い

  ユーザ要求(What)は、ビジネス要求(Why)という目的を達成するための複数の手段(How)から選択されたものです。そして、ソフトウェア要求(システム要件)は、ユーザ要求(Why)という目的を達成するための複数の手段(How)から選択されます。すなわち、3種類の要求は、目的と手段という階層関係になります。

  また、この3種類の要求は、ITに対するものです。ビジネスアナリシスでは、プロセス、ルール、組織などIT以外に対する要求も取り扱いますので、それぞれの要求において非ITとITの2種類があります。

  では、「要求開発」とはどの要求をさして開発しようというのでしょうか? ソフトウェア要求ならば、ユーザ要求、すなわちビジネスプロセスに立ち戻らねばなりません。そして、ユーザ要求ならば、ビジネス要求に整合、貢献できるかどうかを確認する必要があります。ビジネス要求ならば、事業戦略をMECEに構造化したかどうかを検証しなければなりません。ビジネスアナリシス抜きに、要求開発はあり得ません。

(注意)BABOKでは、ビジネス要求、ステークホルダー要求、ソリューション要求と明確に分類しています。

 

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