IT部門やIT企業(アプリケーション開発系)にとって生き残りのカギは、セコム社のように自らの業種・業態を次々と変化させていくことだと、(1)で述べました。米国の事例をみても、その有力な候補は「ビジネスアナリシス」であり、セコム社にたとえて考えてみたいと思います。

1.第1期:ITサービスの提供
      これまでは、業務担当者からの「業務実行の効率化」というニーズを満足させるため、「大量データ処理の作業系プロセスの自動化」というM区的に対して、ITシステムの設計・開発・運用というITサービスを提供してきました。この段階は、セコム社の第1期でいえば、「人的警備(ザ・ガードマン)」というサービス提供に該当します。

2.第2期:ビジネスアナリシスへサービスを拡大

      ITシステムだけでなく「ビジネスプロセス改革・改善」というニーズを満足させるため、「意思決定系や顧客接点のプロセスの強化」という手段に対して、ビジネスアナリシスへと提供するサービスを拡大します。

      ビジネスアナリシスでは、今まで取り扱わなかった意思決定や顧客接点のビジネスプロセスを対象として、プロセス改革・改善、およびノウハウの形式知化を支援します。GUTSY-4事例で言えば、ETO品の売上を8倍にした事例Aです。

  また、企業の知的資産としてのプロセスやルール、ナレッジを管理し、さらに標準化を担当する場合もあるでしょう。そして、従来どうりこれを実現するためのITサービスも提供します。

    この段階は、セコム社の第2期でいえば、企業だけでなく家庭を含めたセキュリティ対応として、「防犯・セキュリティシステム・保険」などのサービス提供に該当します。

3.第3期:新ビジネスモデル構築へサービスを進化

       経営陣からの新ビジネスモデルの構築というニーズを満足させるため、「顧客や協業先を含めたイノベーション」という手段に対して、イノベーティブなビジネスモデル構築を含めたビジネスアナリシスへとサービスを拡大します。また、企業の知的資産全体として、プロセスやルール、ナレッジを担当する場合もあるでしょう。もちろん、新ビジネスモデルの実現のためのプロセス改革・改善や必要なITサービスも提供します。

      この段階は、セコム社の第3期でいえば、社会全体のセキュリティ対応として、「防災、再犯防止、介護等の医療」などのサービス提供に該当します。GUTSY-4事例で言えば、中小企業版インダストリー4.0です。

 

  IT部門やIT企業が提供するITサービスは、企業活動のパフォーマンスを向上させるという目的を達成するための、一つの「手段」に過ぎません。ビジネスアナリシスによれば、手段はビジネスプロセス、ルール、暗黙知の形式知化、組織改革など様々であり、ITだけに限定していません。

  たとえば、意思決定の自動化では、従来の暗黙知から形式知を抽出することがより重要であり、ルールエンジンは形式知を正確に実施するだけです。処理量が少なければ、ルールエンジンも不要です。事例Aでは、月額800円/人のクラウドサービス利用でこれを実現しました。 

 

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