JISAの研修において、プロセス記述において、人によって詳細さが異なってしまうことが最大の問題という受講者の声がありました。それが異なってしまうと、縮尺の異なる地図のように、プロセスフローがつながる筈はありません。ここで、プロセス粒度、以前に少し説明したプロセス階層レベルを改めて整理してみたいと思います。

1.粒度とは
(1) 鉱物の粒度
  複数種類の鉱物からなる岩石について、主要鉱物粒子の大きさを示す工業量のことです。
  例. 直径5mmより大きいものを粗粒、1mmを超え5mmまでのものを中粒、1mm以下のものを細粒

(2) 地図の縮尺
  地図は実際の長さを縮めて表しています。縮めた比率が地図の縮尺となります。
  例. 2万5千分1の縮尺では、学校の大きさが50mならば、地図の上では2mmとなる[国土地理院] 
(3) ビジネスプロセスの粒度
  粒度(Granularity)とは、プロセスモデルの詳細さのレベルを意味します。
  ・顧客や経営者・管理者は意思決定のために、粗い粒度のプロセス記述を要求する傾向があり
  ・ユーザやソフトウェア技術者やユーザーは細かい粒度のプロセス記述を必要とする[Wikipedia]

2.プロセス階層レベルとは

ビジネスプロセスモデルの詳細さのレベルについて、具体的に取り決めたものです。ただし、鉱物や地図のように定量的には決められないので、定性的に決めるしかありません。

(1) 同一のプロセス階層レベルであるとは、同一の影響や因果の関係にあること

具体的には、プロセスへのインプットやプロセスからのアウトプットによって、プロセス同志が相互に影響関係にあること、かつ、影響が同じ強さであることが条件となります。プロセス参照モデルは、インプットやアウトプットも定義していますので、同一のプロセス階層レベルとなります。

(2) 同一のプロセス階層レベルでないとは

一見、同じ大きさのプロセスや機能と見えても、インプットやアウトプットによる影響関係が定義されていない場合、同一のプロセス階層レベルだと考える根拠がありません。

3.プロセス階層レベルを設定するには

BPMにおいてプロセス記述するためには、どの詳細さで記述するか、プロセス階層レベルを設定しなければなりません。しかしながら、プロセス階層レベルが定性的にしか決められない以上、メインプロセスとかサブプロセスなどと自分勝手に決めてはなりません。

ここは、歴史のあるプロセス参照モデルを参考にプロセス階層レベルを設定する他はありません。たとえば、プロセス参照モデルのSCORは、約18年弱の歴史がありますので、これを利用すべきです。現に、米国BPMの権威のBPTrends社では、米国におけるプロセス階層レベルの考え方のようにプロセス階層レベルを定めています。

GUTSY-4では、結果的にこれに準拠したプロセス階層レベルによって、ビジネスモデル、ビジネスプロセスモデル、IT要求モデル、ITモデルを整合させています。⇒2.4つのモデルを整合させる、(1)プロセス階層レベル

 

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