ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4では、ブログ記事:ビジネスアナリシスの中心はファシリテーションです。このために質問と図示を多用します。質問は、質問項目という言語メッセージだけでなく、質問という行為自体が肯定的な非接触的触れ合いという非言語の意味を持つので、コミュニケーション手段として相当に有効になります。

 

1.質問するためには質問項目リストが必要となる

  ビジネスアナリシスでは「要求を引き出す」といい、このために質問をします。しかし、通常は、スキル・経験がないと、質問項目が浮かばず、質問ができません。また、いくら経験があるといっても多くの分野を網羅的にカバーできる訳ではありません。

  したがって、GUTSY-4では、ビジネスアナリシスをエンジニアリング化するため、業務課題では業務機能ごとの約20個の質問項目リスト、現状プロセス詳細の調査では15個のプロセス構成要素ごとに記述されたプロセス参照モデル、IT要求では一つのプロセスで約60個の質問項目を生成する技法、これらを利用して網羅的な質問をして行きます。この有効性は、JISAでのビジネスアナリスト教育(中下流)の8日目と10日目で、受講者に演習として体感してもらいました。

  IT要求では、受注プロセスにおいては、たとえば、「有効な受注データとは」、「その属性は何か」、「その正確性・完全性・正当性のチェックの要点は何か」と、次々と明確な質問を続けていきます。

  では、質問項目リストが8割しかカバーしていなかったら、という心配もあるでしょう。でも、大丈夫です。人間は、質問されることによって脳が活性化して「気付き」が生まれて、質問されていない重要なことも答えてくれるのです。ロボットやAIでは、こんなことはあり得ないでしょうが。

 

2.相手から明確な質問をされると脳が活性化する

       前述のIT要求では、質問項目を生成できるのだからと、自問自答形式でもやってみました。しかしながら、自問自答では質問されることと比較して、半分ほどしか引き出せませんでした。それは、なぜでしょうか?

       前述のような明確な質問をされるということは、相手からの質問を耳という器官で言語メッセージとして聞き取って、その情報が神経を通して脳に届いた後、質問内容を解読した上でこれへの明確な回答を考え、その言語メッセージを口という器官から相手に話す訳です。当然、話したことは自分の耳で聞き取ることになります。そして、相手は適切なあいづちを打った後、次の質問をします。

      一方、自問自答の場合は、脳の中だけで自分に質問するので、耳や口という器官や神経を使いません。ここが、大いに関係がありそうです。どうも、人間は身体を総合的に使った方が、頭脳も活性化するようです。散歩しているとアイデアが浮かんだり、本にアンダーラインを引いて記憶しようとしたり、自分の考えを人に話して不十分な部分に気づくとか。

    「受注プロセスでのITへの要求は何ですか」というヒアリングは、どうでしょうか。相手からの曖昧で広範囲すぎる質問内容をまず脳で理解した後、一つの回答を考えて、また次の回答を考えてと、自分の脳の中だけで大部分を処理しなければなりません。これは脳が活性化するどころか、脳への拷問のような感じがします。

 

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