1.モデリングとは何か

        抽象化とは、 『対象の共通的な側面・性質を抽き離して、把握すること』。たとえば、モノの性質を無視して、タテの形状だけを測定したのが「長さ」(cm、インチ)です。そして、この抽象化モデリング)の際に作成されるのがモデルです。したがって、現状をモデリングしたモデルは、「理想形」という意味ではありません。

 2.メタモデルとは何か

       抽象化で使用した側面・性質、すなわち記述要素がメタモデルです。前述の例では、メタモデルは長さしかありませんが、立体的に形状を測定するためには、その他に「幅」と「高さ」が必要となります。

 3.ビジネスアナリシスの成果物としてのモデルの種類  

        経営とITが整合するためには、ビジネスモデルビジネスプロセスモデルIT要求モデルITモデル、この4つのモデルが各々、整合していることだと述べました。

本体記事:方法論GUTSY-4の概要「1.戦略からITまでの4つのモデルの整合」

その他に作成されるモデルは、組織モデルビジネスルールモデル情報エンティティモデルデータモデルなどがあります。 

        

4.モデリングのむずかしさ

       抽象化というよりも、その他の側面・性質を排除する「捨象」がむずかしい。私が、SEとしていろいろな企業を訪問した際に、真っ先に言われたのが「うちの業務は特殊ですから」。ところが、実際に業務分析してみると、まったく特殊でもなんでもないことが多かった。抽象化を訓練すると、表面上の複雑な物事について、その共通性が見えてきて、シンプルに捉えることができるようになります。

       ビジネスアナリシスの成果物としての各々のモデルには、経験上、それぞれメタモデルを設定できます。たとえば、ビジネスプロセスモデルでは、プロセスフローだけでは全く不十分であり、個々のプロセスについて、機能、インプット、アウトプット、ビジネスルール、責任組織などが必須となります。これがビジネスプロセスモデルのメタモデルです。

本体記事:業務参照モデルの利用方法「3.プロセス詳細定義の例」

       プロセス参照モデルには、もう少し多くのメタモデルが事前に設定されていますので、ビジネスプロセスモデルでは自分で悩む必要はありません。ビジネスルールのメタモデルでは、米国DoDのアーキテクチャフレームワークの中から探したり本当に悩みましたが、最終的に自分で考えました。

       ビジネスモデルにもメタモデルが必要です。それが不十分だと、実行する前にすでに破たんしていることになります。『ビジネスモデル・キャンバス』(アレックス・オスターワルダー = イヴ・ピニュール著 、翔泳社)にも、9項目のメタモデルが定義されています。GUTSY-4では、対外部のビジネスモデル、および対内部のビジネスモデル(すなわち業務システム)とを完全に区別しており、対外部では8項目のメタモデルを定義しています。

      メタモデルの定義が不十分だと、当然、それに準拠したモデリングの結果も不十分となってしまいます。業務フローだけは、論外です。

 

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