まず、ヒアリング手法の定義とは、「面接調査によって相手の話を聞くことを中心に、相手の状況や事情、要望や意見・意向などの情報収集する方法」と言われます。そして、英語ではHearingですから、Listenよりも、受動的な聞き方です。

1.ヒアリングの特徴

(1)気楽に取り組める

      質問・インタビューと違って、質問項目などの事前準備がなくてヒアリングできるからです。

(2)場当たり的なものになりがち

      この理由は、気楽に取り組めることの裏返しで、相手が答える内容について、事前に整理や準備がされていないことが多いので、内容についての正確性、完全性、正当性の保証がないことです。

・正確性が欠ける例としては、用語が共通化されていないので双方での解釈ミスが出てくる、相手にとってブラックボックス化した機能は出てこないなど

・完全性(網羅性)が欠ける例としては、相手は一度に全部は思い出せず抜ける、自分の経験の範囲に限定されるなど

・正当性の例としては、あくまで個人レベルの意見であって、組織的な意見ではないなど

(3)相手の属人的なものになりがち

       この理由は、①個人の立場・経験、そして知識、能力レベルに左右されること、②個人的な関心や印象が強いものから出てくる、はたまた③個人の心理的慾求に影響されることなどがあります。

      ①の例としては、管理職とオペレータの違い、ベテランからは例外的なことが多く出てくる、②の例としては、個人的な印象に左右されると最近に自分の身近で起こったことが出てきやすい、③自分を認めて欲しい欲求として、パワーユーザから出てくる高度なIT機能要求などがあります。 

       営業の初回コンタクト訪問のように、まだ相手から公式に承認されていない場合は、以上のように問題があっても、ヒアリング手法を採用せざるを得ませんが。

 

2.質問・インタビューの方が効果的で所要時間も少なく済む

  しかし、現状プロセスの調査、課題抽出、IT要求定義などのビジネスアナリシスにおいては、承認を得ているために、前述したように問題の多いヒアリング手法よりも、有効な仮説設定を行って臨む質問・インタビュー手法の方が効果的であり、かつそれに要する時間も1/5~1/10と大幅に短くて済みます。しかし、従来のコンサル会社にとっては、所要時間がかなり減少して収入減になってしまいます。

  私が、プログラマ時代、全く未経験のメーカーのBASICアセンブラ(ほとんど機械語)のプログラムを受託開発した際に、見積よりも大幅にステップ数を短縮したことを思い出します。その時、上司にひどく叱られました。「無駄な命令を入れて水増しろ!」

  こうした理由から、ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4では、ビジネスアナリシスの中心を質問・インタビューや図を多用したファシリテーションにおいています。有効な仮説設定のために、業務課題の質問シート、IT要求引き出し2次元シート、標準的なプロセス図やプロセス詳細を定義した業務参照モデルを用意してあります。⇒関連ブログ:質問はなぜ有効なのか、なぜ質問されると頭が活性化するのか

 

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