アプリケーションシステムの寿命(ライフサイクル)は、米国が約5年、日本が約15年といわれています。そして、日本では、IT部門のアプリケーション開発能力全体の約60-70%が保守作業に費やされているともいわれています。

1.同じアプリケーションシステムを15年間も使って保守し続けることは大きなコストアップになっている

アプリケーションシステムを15年使い続けることは、以下の試算によれば、もう一度、再構築できる以上の保守工数を費やしていることになり、全くコスト節約になっていません。アプリケーション保守作業は、その目的によって、以下のように分類されます。

  ①適応保守:企業の組織変更や業務拡大へ対応するため

  ②完全化保守:帳票・画面等の細かな修正のため

  ③応急(是正)保守:障害・バグへの一時的対応のため

上記②はIT要求がもともと不完全、③は保守作業そのものが不完全だったともいえ、①だけが本来のアプリケーション保守といえます。また、3つの保守作業の比率は、①が37%、②が33%、③が20%とされています(JUASソフトウェアメトリクス調査2009より件数ベースで計算)。

試算 

上記によれば、本来の保守である①の適応保守以外の②と③のアプリケーション保守作業は、そもそも不要だと思われます。また、システム機能の約64%が全く、あるいはほとんど利用されていないという調査(Chaosレポート2000)があります。したがって、適応保守以外のアプリケーション保守作業として、少なく見積もっても 33×64%+20%=50%がムダと言えます(注1)。システムライフサイクルが15年だと累計で750%、10年だと累計で500%、5年だと累計で250%、これらがムダな保守作業に費やされてしまいます。

(注1)適応保守でも、全く、あるいはほとんど利用されていないというムダが存在していると思われるが、ここでは簡略化のために無視することにしました。

 それでは、ビジネスアナリシスは、新規のアプリケーション開発だけに適用できて、このアプリケーション保守問題の解決には貢献できないのでしょうか? 

2.アプリケーション保守の問題はアウトソーシングで解決できるか?

ビジネスアナリシスの背景となっている、「要求問題」はそれが根本原因となって、新規開発だけでなく、保守においても存在します。まず、「新規の要求の開発」と同様に「保守要求の開発」というプロセスを持たない限り、無駄な保守がやはり6割ほど発生してしまいます。保守要求のレビューと開発という機能を社内に持てば、アウトソーシングせずとも、保守作業そのものを半減できます。

もし、その機能を持たずして、ただ保守のアウトソーシングを進めれば、アウトソーサは無駄な保守であっても断る筈もありません。コストは確かに下がりますが半減までは行きませんし、かえって無駄な保守作業を繰り返すことによって、アプリケーションシステム自体は劣化し続けて、そのライフサイクルをさらに短命化してしまいます。

アプリケーション保守の問題を根本的に解決するためには、「保守要求の開発」プロセスを経て、保守作業をアウトソーシングすべきです。ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4は、「よりよい保守要求の開発」プロセスを可能とします。

 

 

 

 

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