東京海上日動システムズ社前社長(現顧問)の横塚裕志氏(JISA副会長、BA部会長)は、著書『SEよ大志を抱こう』(日経BP社)の中で、「元来、分析や論理思考力を持つSEは、ビジネスアナリストに向いている」と述べています。本ブログでは、ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4が論理思考力を持つSEをどう支援しているかを、ビジネスアナリストに必要な3つのスキル分野ごとに証明してみましょう。

 1.分析から結論へ至るビジネスアナリシスへの論理思考力

(1)モデリング

ビジネスアナリストは、戦略、ビジネスプロセス、ルール、組織、ITシステムなど多くを対象とします。したがって、これらを正確に抽象化(モデリング)する必要がありますし、そのためにはメタモデルが必要となります。しかし、SEが自分の論理思考力を使ってこれに悩む必要はありません。GUTSY-4が提供しているものを使えばいいのです。もちろん、修正して利用しても構いません。

そして、たとえば、戦略を戦術へと、そしてビジネスプロセスを上位から下位へと、ブレークダウンする際には、業務知識・スキルを利用して構造化を行います。GUTSY-4はこの構造化をMECEに行うための種々のワークシートを提供しています。

(2)分析

相手から出てきた問題・課題には、それほど重要でないものも含まれます。こんな情報までを取り扱っていては仕事が進みません。たとえば、GUTSY-4の課題一覧表には、問題・課題が及ぼしている悪影響を記述する欄がありますので、これを評価して重要でないものを取り除くことができます。

そして、問題・課題については解決策を考える前に、その根本原因を特定する必要があります。複雑な問題・課題ほど、その原因は遠く離れているからです。GUTSY-4のレベル2プロセス分析シートは、解決策の前に「根本原因」の欄を埋めるように工夫してあります。根本原因を考える際に、論理思考力を使えばいいのです。

(3)設計

ビジネスアナリシスでは、解決策をITだけでなく、多面的に考える必要があります。たとえば、GUTSY-4のレベル3プロセス設計シートでは、問題・課題の解決策について、「設備等、組織、ルール、プロセス機能、人、IT」ともれのない観点から検討・設計せざるを得ないように工夫してあります。ITだけに依存した解決策は不十分になってしまうからです。

 以上、ビジネスアナリシスにおける論理思考の例を少しだけ紹介しました。しかし、ビジネスアナリスト自身が論理思考して答えを出す訳ではありません。ワークショップ等で、相手に論理思考させるのがその役割です。しかし、自らに論理思考力がないと、相手がそれをしていないことを指摘して導けません。 ⇒WBS/アクテビティの構造

 2.業務知識・スキル

論理思考へのインプットは、言語化された企業の業務に関するものになります。ビジネスアナリストがこれを正確に理解するためには、業務知識・スキルが必要となります。インプットが不正確なものだと、そもそも論理思考が成立しません。米国人と会話するのに、英語力が必要なことと同じです。

業務知識・スキルも同様であり、GUTSY-4では、ビジネスアナリストに必要なものを業務参照モデルとして提供しています。 ビジネスアナリストに必要な業務知識・スキル⇒その特性 その養成方法 どの程度で十分か

3.コミュニケーション力、ファシリテーション力

(1)コミュニケーション力

実はそういう私も、「話す」ことは苦手です。ビジネスアナリシスでは、質問した後、「聞く」ことが中心となります。相手が気持ちよくなるような相槌を打ちながら、ただひたすら聞きます。決して、饒舌である必要はありません。ビジネスアナリストとしては、話し上手よりも聞き上手の方が重要だからです。GUTSY-4のコミュニケーション技法「聞く(初級)、聞く(中級)」には、アクティブに聞く姿勢やあいづちを沢山、掲載してあります。そして、相手の本音を読み取る、非言語コミュニケーションが重要です。

(2)ファシリテーション

ビジネスアナリストは、相手が考えることを「促進」(ファシリテーション)します。たとえば、地域の問題の合意形成ワークショップのファシリテータはむずかしいでしょうね。私も、できるかどうか自信がありません。

しかし、ビジネスアナリシスにおけるファシリテーションでは、あまりそんなむずかしい局面はありません。GUTSY-4は「相手に自分で気付いてもらえる」ようなファシリテーションの技法を採用しています。業務課題の質問項目シートによって「質問されて気付く」、業務参照モデルを利用してプロセス図を描くことで「視覚的に気付く」、前述した分析シートの欄によって「まず根本原因を考え始める」。

人は他人から言われたことよりも自分で気付いたことには素直になります。GUTSY-4では、相手が自分から気付くための「技法・ツール」を各種、用意してあります。ファシリテータはさりげなくそれを適用するだけです。

GUTSY-4によるビジネスアナシスの中心はファシリテーション (改)

以上を総合すると、論理思考力さえあれば、他はGUTSY-4が提供するもので、ビジネスアナリシスができます。ただし、いくらコミュニケーションが苦手だと言っても、「質問」くらいはしてください。たどたどしくても大丈夫です。。

以上のべたことは、横塚裕志氏の「SEはビジネスアナリストに向いている」との主張が全く正しいことの証明です。そして、その実現に到達しているのが、ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4なのです。 事例B:東京海上日動システムズ社における若手SEによる事例

 

 

 

 

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