先のブログ:論理思考のステップでは、一般ビジネスマン、経営陣、コンサルに共通して有用な抽象化、構造化、類推、因果関係、システム思考についてのべました。ここでは、ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4の中にこれらがどう取り入れられているかを説明します。インプットは論理思考を行う対象、アウトプットは論理思考による推論や仮説です。

  GUTSY-4には、多くのフレームワークやこれを組み合わせた各種技法を内蔵しています。⇒フレームワーク思考とGUTSY-4

  たとえば、大型ダンプの運転という肉体労働では、パワーステアリングなどの採用によって、腕力のない女性でも楽々と運転が可能になっています。知的労働では、以下を利用せずに自分の石器時代の地頭のまま、対処しようとしますか?

1.抽象化

  まず、対象を論理思考しやすいように、余計なことを取り除いて、その現状を抽象化します。

  GUTSY-4では現状プロセスの調査・記述の際に業務参照モデルを利用して、こういう業務プロセスやルールが存在するかも知れないと仮説をして、これを相手に質問することで現状を引き出します。この際に、現状で欠落した事も特定します。現状調査を、いきなり階層レベル5で行えば、何が幹であるかも分からず、枝葉に過ぎない例外処理(担当者レベルの関心事項)に振り回されてしまいます。

  (参考)抽象化⇒モデリングとは何か、なぜメタモデルが重要か(補足)

      ビジネスプロセスでは⇒プロセスモデリングのポイント(補足)

2.(適切な階層への)構造化

  対象を適切な階層レベルへと構造化します。課題や業務プロセスでは、相手の職位(経営層、部長、課長、係長、担当者)の関心事項の階層レベルに合わせて対象を構造化します。必要な場合には、その階層レベルにおいて、再度、抽象化します。

  要求や課題ではいえば職位によって異なってきます。業務プロセスでいえば、経営層は延暦・戦術であるレベル1か2まで、部長クラスは業務改革を行うべきレベル2、課長クラスはプロセス改革を行うべきレベル3、係長クラスはプロセス改善を行うべきレベル4となります。

  GUTSY-4では、自分で構造化せずとも業務参照モデルを利用して、上位から適切な階層レベルまで構造化を繰り返します。

    (参考)ビジネスプロセスでは⇒構造化とは何か、戦略をビジネスプロセスに構造化する方法は?

3.類推

  類推のレベル1と2では、自分の実経験をベースにして拡張しますが、レベル3以降は他人の経験も含めて抽象化されたものから、近く、そして遠くを、また組み合わせて類推します。業務参照モデルでは、製造と書かれた機能をサービスに置き換えて利用するのです。サービス業界のコンサルタントは製造業出身の人が多いのも、こうした理由からです。

  類推によって、自分の経験だけでなく他人のも利用できるので、自分のベース領域を何十倍にも拡張できます。業務参照モデルは他人の経験が知識化されたものですが、書籍も含めて他人の知識を上手に利用するためには、計画的に類推スキルを養成していく必要があります。

4.因果関係

  因果関係は、階層レベルが異なると影響力が異なることに注意しなければなりません。コンサルンタントでさえ「風が吹けば桶屋が儲かる」的な屁理屈を展開している成果物を見たことがあります。因果関係が正当であるためには、階層レベルが一致していることが必要条件となります。(参考)⇒因果関係が弱いのに、安易に矢印で結んではならない!

  GUTSY-4では、WBS・アクティビティ、すなわち階層レベルごとに、原因追究や影響分析の因果関係の各種技法を使い分けます。

5.システム思考

  対象の構造が複雑な場合には、単純な因果関係ではありません。解決策によっては、事態は一旦好転して、そして大きく悪化していく場合もあります。センゲはこれをスナップショット思考として強く戒めて、システム思考すべきだと警鐘しています。私自身は、スナップショット思考による誤りを多く目撃しています。

  レベル2位までの戦略や戦術レベルの要求や課題に対しては、システム思考しないと有効な解決策は生み出せません。GUTSY-4では、たとえば、解決策としてのレベル2プロセス設計に対して、TOC未来実現ツリーでその妥当性確認、レビューで前提条件や制約条件の確認を行います。