私の尊敬する人で、トヨタで長年に渡って電子かんばん等、生産現場のIT導入に取り込んできた黒岩恵先生から聞いた話を紹介します。

トヨタでは、必ず現場改善してから設備やITを導入する」。C70-01-02図.jpg

  この裏付けとなるのは、現場改善せずに設備・IT導入には『5つの大罪があるから。その3つは、

1.設備・IT導入によって改善すべき点 が隠蔽されてしまう。(もう人の目に触れなくなってしまう)

2.現場の改善すべき点が、設備・IT導入によって悪いまま固定されてしまう。(人によるやり直しが利かない)

3.設備・IT導入には大きな費用がかかる。

 

  関連ブログ:業務、IT要求、IT要件はどう違うのか、IT要件トラブルの解決方法は?

  において、IT要求(What)が明確でない、即ちユーザ企業が定義できないことがトラブルの原因だと述べました。ITシステムのオペレータにヒアリングして、これをIT要求とするのは

・ヒアリングのため、全てのIT要求が出揃わずに、テスト段階で表面化してプロジェクトトラブルとなる

・IT投資対効果が伴わないという、表面化せず潜在している経営上のトラブルと見なせる

  トヨタの現場改善では、「5つのなぜなぜ(Why)」で根本原因を特定して、根本原因の改善を検討します。その上で、設備やITの導入となるのです。オペレータは立場上から現状を是とせざるを得ませんので、せいぜい「操作しずらい」位のIT要求しか出てきません。 これではカイゼンになりません。

  ITシステムの場合には、現場改善は「プロセス改善」に相当します。これをビジネスアナリシスや超上流で行うのです。そうでなければ、表面化したトラブル、潜在した経営上のトラブルとなるだけです。もう、「現状プロセスを是としてIT要求をヒアリングするのはやめませんか