最近、IT企業からIT要件定義の悩みをよく耳にします。IT要求が不明確なことに起因しているようです。そこで、業務(ビジネスプロセス)、IT要求(業務要件)、IT要件(システム要件)との関係を整理しましょう。

  この3つは、Why、What、Howの関係にあります。即ち、業務上の必要性(Why)によって、ITによって支援して欲しいIT要求(What)が発生し、これを選定したITソリューション(個別開発やパッケージ等)でどう実現するかがIT要件(How)となるのです。

C70-01-01図.jpg

1. Why⇒業務(ビジネスプロセス)

    「ビジネスプロセスの記述・分析・設計」工程で明確にする業務上の目的や理由です。

  これは「自動化と情報化」に大別されます。そして、管理対象は、明確に性質が異なる「データと情報」の2種類があります。

2.What⇒IT要求

  「IT要求定義」工程において、業務上の目的を達成するために、ITによって支援して欲しいことを定義します。IT要求には機能要求や非機能要求という区分があります。また、CobiTでは情報自体と情報サービスへの要求に区分しています。

  発生源として、経営面から以外に、様々なユーザクラス(層)が存在します。頻繁にITシステムを利用するパワーユーザと時々参照だけする管理職とではIT要求は異なります。

  BABOKでは、IT要求の4つのステータスとして、表明された、優先順位付けされた、形式検証された、妥当性確認された、と区分しています。オペレータが述べただけでは、組織上の正式な要求ではないということです。また、これが経営面からのビジネス要求に反している場合もあるからです。

3.HowIT要件(システム要件)

 「システム分析(要件定義)」工程で、各々のIT要求を確認して、これを選定ITソリューションでどう実現するかを定義したものです。

 

  以上のIT要件定義(How)での問題は、IT要求(What)が明確でない、即ちユーザ企業が定義できないことが原因です。この影響は

 ・ITシステム開発の途中で新たなIT要求が出てくる、あるいはIT要求が安定しない

 ・IT企業が何とかこれを乗り越えても、結果として新ITシステムは当初の見積規模を上回ってしまう

 ・業務上の重要な理由(How)を実現していないためIT導入の効果が小さく、ユーザ企業の経営者は次のIT投資への意欲がそがれてしまう

  この悪循環を断ち切るためにはIT要求(What)そして業務改善(why)にまで立ち戻る必要があります。IT企業はこれをビジネスチャンスと捉えて、ユーザ企業と共同で、GUTSY-4を利用してビジネスアナリシスを実施する以外に、この解決方法はありません。これには米国に先例があるのですから。そして、日本でもトヨタの生産現場における設備・IT導入の考え方を適用すればよいのです。⇒ブログ:トヨタの生産現場での設備導入の考え方で、企業はIT導入すべき