GUTSY-4の方法論に関する補足説明のコーナーです。

  ファシリテーションとは、人の思考を「促進」することです。ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4の中心を成しているのは、ファシリテーションです。これによって、人は思考が容易になり、課題に気づいたり、解決策を思いついたりできるのです。GUTSY-4は、このための質問項目を用意したり、対象を図形化します。

1.ヒアリングと質問の違い

  ヒアリングでは、「あなたが抱える課題は何ですか」と切り出します。相手が自分自身で思考しなければなりませんし、かつ問題や課題を自分から言えとなりますので、脳だけでなく心にもかなりの緊張感と負担がかかります。

  一方、質問では、こちらから相手にどんどん具体的に尋ねていきます。質問では、相手は質問されたことについてだけ考えて、そして回答すればよいので、脳がフリーで活性化された状態に保たれ、心理も平常に保てます。

  したがって、ヒアリングよりも質問では、数倍の多くの情報や課題が得られ、それも短時間で済み、かつモレもありません。したがって、ファシリテーションでは、質問を多用します。

  しかしながら、質問を行うためには、多くの業務経験を必要とします。GUTSY-4では、業務経験が乏しくても質問できるように、業務参照モデルの中に業務課題質問インタビューシートやプロセス参照モデルを用意してあります。

2.GUTSY-4でのファシリテーション例

質問による方法

・業務ごとに網羅的に質問項目が決まっている業務課題質問インタビューシートを利用して、「業務課題」を引き出す

  質問されることで、相手は初めて課題に気付くという場面が多々ありました。特に、課題は何もありませんと構えていた相手が、プロセスパフォーマンスに関する質問をした途端、がらっと態度が謙虚になったとか。そして、たとえ質問されてでも、自分で気付いた課題は解決したくなるという大きな効果もあります。

・プロセスに関連してIT要求を質問する技法を利用して、「IT要求」を引き出す

  よく、「IT要求を引き出す」といいますが、質問によって引き出すためには、ビジネスアナリストに相当の経験がなければ無理です。

       GUTSY-4では、個別プロセスごとの各プロセス構成要素(機能、インプット、アウトプット、業務ルール)から、約60個の質問項目を生成できますので、これを相手に質問することによって「IT要求」を引き出します。したがって、業務上、過大な金メッキ要求、今は使ってないが無くなると困りそうという保険的要求は出てきようがありません。

図による方法

・レベル2やレベル3のプロセス分析・設計では、個々の業務課題を検討して、その根本原因を確定してから「解決策」を考える

  人は課題が明確になると、すぐに解決策を考えたくなるものですが、これが間違いのもとです。GUTSY-4では、分析・設計のワークシートの工夫によって、相手(複数)はこれを見ながら集中させて根本原因を考えます。また、複雑な場合には、現状分析ツリーなどの図示を行ってからシステム思考します。

・プロセス参照モデルを相手に見せながら、プロセスフローや個別プロセスを質問して、「現状プロセスを調査・記述」する

  スクリーンにプロセス参照モデルを写しながら、プロセスの有無の確認、個別プロセスの機能・インプット・アウトプット・業務ルール・担当について質問しながら、現状プロセスをもれなく効率的に調査します。多くの場合、相手は同時に課題にも気づきます。この方法は、全てヒアリングした場合に比べて、1/4~1/2の工数や期間で済みます。

3.ファシリテーションによる効果

  相手が自分で出した課題や自分達で考えた解決策は、合意形成が容易です。また、その実行にも期待できます。

  GUTSY-4を利用した場合、ビジネスアナリリストは、相手に決して結論を提示しません。相手が結論に至るまでのシナリオ(これがGUTSY-4のWBS)に沿って、上記のようにビジネスアナリストの個人的能力に依存しない方法でファシリテーションしていきます。したがって、東京海上日動システムズ社の事例のように、25歳のSEでもビジネスアナリシスができるのです。

  また、GUTSY-4は、プロフェショナルなコンサルタントに求められるコンピテンシーについて、個人の属人的能力ではなく方法論や技法によって充足しています。

①新鮮な観点で課題や解決策を考える上で、常に支援してくれる・・・・GUTSY-4のWBS

②結論を押し付けようとしない・・・・ユーザ自身で問題を定義し、解決策を考える

③ユーザの代わりに判断、決定しない・・・・ユーザ自身で解決策を決定し、それを実施し、問題や課題を解決する

   心理カウンセラーは、ただひたすら相手の話を聞き、決して自分の考えを押し付けない、と言われます。解決は自分自身で行うのです。コンサルタントが・・・・すべきだと言うならば、そのコンサルタントが私財を投げ売ってそれをビジネスにすればいいのです。この「すべき」というのは、私が大嫌いな言葉の一つです。

  提案相手にそう言われて、元マッキンゼーの南場智子氏が設立したのが、DeNAです。   

 

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