ここでは、ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4の構造と特長として、以下を説明します。

  1.2.1⇒個人の属人的能力に依存しないようエンジニアリング化したこと、実際に実現できたこと

  1.2.2⇒品質と効率の向上のために、WBS・アクティビティ定義だけでなく技法・ツール・事例を内蔵

  1.2.3⇒ビジネスアナリシスのエンジニアリング化、ビジネスとITへの効果、これらを事例で証明

1.2.1 GUTSY-4®は属人的能力に依存しない手法

(1)GUTSY-4の目指すものは個人の属人的能力に依存しないエンジニアリング手法

  ビジネスアナリシスのエンジニアリング化のために、GUTSY-4は、3つのことを目指しました。①プロセス階層レベルに沿って戦略とプロセス・ITを整合させる、②業務知識は業務参照モデルでカバーする、③若年SEでも実施できるようなWBS/アクティビティを持つ⇒ ブログ記事: ビジネスアナリシスをどのように「エンジニアリング」するか

  特に、上記③を実現するために、4つのフェーズにわたって、下記のように、約100個のWBS、約500個のアクティビティ、約500個の説明・技法・ツール・リファレンス・事例を用意しました。一番最初のWBSは、用語集の作成です。

  この手法では、ビジネスアナリスト個人の能力・スキルに依存する部分を最小にしているので、誰が行っても一定レベル以上の結果を得る事が出来ます。いわば、エンジニアリング化されたビジネスアナリシスのプロセス、日本の伝統的武芸でいえば「型」です。

WBSの
アクティビティ構成

WBS名

アクティビティ名

①WBS/アクティビティ
の機能

②説明、技法、ツール、
リファレンス、事例
(800以上)

③インプット

④アウトプット
999-99+連番

説明:WBS・アクティビティの目的や機能
技法:詳細手順、テクニック
ツール:アウトプット 様式
質問項目、検討・思考用ワークシート
事例:アウトプット例

  ビジネスアナリシスを実施するためには、上記のようなWBSが必須となります。BABOK®は知識体系であり方法論やプロセスではないため、その利用者は、「組織のプロセス資産」として、このようなWBSテンプレートを持っている事を前提としています。

  ⇒ ブログ記事: WBS/アクティビティの説明・技法・ツール等(補足)

(2)エンジニアリング方法論GUTSY-4で実現できること(一部だけ紹介)

 

1.2.2 GUTSY-4のWBS/アクティビティによる品質と効率の向上

(1)ビジネスアナリシスにおける品質と効率

  ビジネスアナリシスにおいては、その品質と効率(コスト・時間)を大幅に向上させなければなりません。このために、GUTSY-4では利用者が自然にフレームワーク思考をできるようになっています。だから事例B東京海上日動システムズ社では、25歳のSE達がビジネスアナリシスができたのです。そうでなければ、できる筈がありません。

  このためにGUTSY-4のWBS/アクティビティでは、たとえば、戦略課題への構造化シート、業務課題の質問項目シート、IT要求の引き出しのための質問シートなど、これまで解説してきたWBSに付属した技法ツール類を使い、個人の属人的能力に依存しないエンジニアリング的な方法で進めていくことができます。

  ベテランでも個人の経験・能力に依存した場合、フレームワーク思考した場合、どちらが効果が大きいでしょうか? 昔、大型ダンプは腕力の強い屈強な男しか運転できませんでした。それが今や、パワーステアリングによって、女性のダンプ運転士が大勢、見受けられるようになっています。コンサルでも同じです。

  自分の人生において、ビジネスとITのギャップやかい離を目のあたりにしてきた私は、これから日本では多くのビジネスアナリストを必要とするという想いを抱きました。それを実現するために、自らビジネスアナリシスを行いながら、多くのSEをビジネスアナリストに育成するための「エンジニアリング化されたビジネスアナリシス方法論GUTSY-4」、これを10年以上をかけて開発してきました。

情報収集

情報整理

「どう考えるか」を考える

論理思考/システム思考

情報伝達



















































































































品質

効率

正確に漏らさずに

情報の整理

思考しやすく

思考しやすく

情報の絞り込み

MECEな思考ツール(漏れず)

MECEな思考ツール(重複せず)

イメージによる脳の活性化

整理・絞込まれた情報を因果関係付け、フレームワークを使って考える

形式検証のポイント

妥当性確認のポイント

分かりやすい構成

情報の整理

正確に完全に

  戦略分析、業務課題の抽出、現状プロセスの調査、ユーザー情報の引き出しなどほとんどのWBSでは、品質と効率を向上させるようなアクティビティおよび技法・ツール・事例等が用意されています。⇒ ブログ記事:WBS/アクティビティの構造例(補足)

(2)内蔵する技法・ツール・事例等

説明・REF・技法・ツール・事例等の一覧

  GUTSY-4と深く結びついてWBS・アクティビティの中で参照しているこれら、約600個を一覧にして、3行程度の簡単な解説を付加したもの。たとえば、「事業戦略の戦略課題への構造化」をクリックすると、これを解説したコンテンツが現れて、自己学習できるようになっています。特に、アウトプット事例はWBS・アクティビティの理解を早めてくれます(東京海上日動システムズの若手SE談)。また、PowerPointでできたコンテンツの約半数には、Note部分に詳細説明が付いています。⇒ブログ:WBS/アクティビティの説明・技法・ツール等

一般的概念・用語の一覧

  GUTSY-4のWBS・アクティビティの中で参照しているこれら、約400個を一覧にして、3行程度の簡単な解説を付加したもの。たとえば、「非機能要求」をクリックすると、これを解説したコンテンツが現れて、自己学習できるようになっています。また、PowerPointでできたコンテンツの約半数には、Note部分に詳細説明が付いています。私自身も、概念への理解を確認するために、時々、参照することがあります。

(3)SEが実施した6つのWBSの事例

  GUTSY-4は、WBS/アクティビティの品質と効率の向上を実現したエンジニアリング手法のため、入社3-4年生のSEでもビジネスアナリシスやIT要求開発が可能です。したがって、情報システム部門の人材開発の期間を5年程度、短縮できます。⇒ブログ:コンサルタント、GUTSY-4を利用したSE、この2つの比較  

  事例Cでは、コンサルティング会社の子会社に工数や期間の半減だけでなく、品質は100-200%以上の向上が可能」と評価されて導入に至りました。

1.2.3 事例によって証明されたGUTSY-4の効果

(1)GUTSY-4がエンジニアリング化されたビジネスアナリシス方法論であること

GUTSY-4前身でのSCM等での事例
■ 株式会社今野製作所

WBS/アクティビティのインプットやアウトプットが相互に連係し、WBSごとにコンサルタントが交代しても最終的な成果物を完成できることを証明しました。

東京海上日動システムズ株式会社

用意されている説明・技法・ツール・事例によって、個人の知識・経験・スキルの不足をカバーできる。実際に業務知識経験が乏しい25歳のSEでも、ビジネスアナリシスを出来る事を証明しました。

(2)ビジネスに関する効果  

 この詳細⇒ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4によるビジネスへの効果

階層化アプローチにより事業戦略をビジネスモデルとビジネスプロセスに落とし込める

ビジネスプロセスを階層的に「見える化」でき、組織をプロセス志向に変革できる

  たとえば、レベル1はM&Aや事業リスク分析、レベル2は業務改革、レベル3はプロセス改革、レベル4はプロセス改善、レベル5はIT導入となります。ビジネスプロセスが見える化されていないような、日本企業の暗黙的な「非明示的な管理方式」はグローバル時代にはもはや通用しません。

■重要な意思決定プロセスにおけるノウハウ(暗黙知)を形式知化し、プラクティスとして「見える化」して共有できる

  標準化では、作業実行系業務の場合は全てを画一化することです。しかし、意思決定系業務の場合はその一部を形式知(プラクティスとも呼ばれる)としてルールで標準化しますが、全てを画一化することではありません。事例Aでは、これによってETO品の売上を8倍に拡大しました。IBMの営業プロセスは多くのプラクティスを収納し、これを使いこなすためのロールプレーイング訓練を行っています。

ビジネスプロセス、組織・人、ITとの三位一体の改革ができる

  ⇒ブログ記事:なぜ、ほとんどの日本企業でERPの効果を上げることができなかったのか

 

(3)ITに関する効果  

 この詳細⇒ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4によるITへの効果

■階層化アプローチによって、経営面からのビジネス要求を必ずITに反映できる 

  ⇒方法論GUTSY-4の概要 (4)GUTSY-4によればビジネス要求は必ずITに反映できる

■IT導入・開発の費用を大幅に圧縮できる

  ビジネスプロセスからのIT要求の引き出しによって、IT要求トラブルの減少や使われないIT機能を要求段階で排除するので開発費用を大幅に圧縮できる

・日経コンピュータ誌200812第2回プロジェクト実態調査によれば、トラブル原因の6割は「要求」

 2003年よりも要求トラブルが増加していることを考えれば、現在、この状況はさらに悪化していると思われれます。

・金メッキ要求や保険的要求など64%の要求の削減が可能、事例では約4割の削減実績

 ⇒ブログ記事:IT要求定義における本質的な問題点は何か

 ⇒ブログ記事:IT要求の一般的な引き出し方法、GUTSY-4での多元的な方法

 ⇒ブログ記事(詳細):ビジネスプロセスからITへの要求を引き出す、IT要求開発をする その効果例

意思決定系業務へIT適用を拡大、いわゆる「攻めのT活用(上記(2)③)

  当初、ITは作業実行系業務を省力化・効率化してコスト削減のために導入されました。そこへのIT投資が一巡した現在では、意思決定系業務へのIT適用の方が売上増加して投資効率が高くなります。⇒IT導入の目的(自動化と情報化) 

■プロセス、組織・人との三位一体の改革によって、IT投資効果を大きく向上できる 

  このことは、篠崎彰彦教授[九州大学]の分析論文(2007)で発表されています。これは、IT投資をしても企業業績が向上しないという「生産性パラドックス」研究が、1980年後半に米国で行われて既に証明されていることでもあります。

 

  日本企業の経営者が「効率化のためにIT投資をする」という考え方は、米国での30年前の考え方のままです

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