業務参照モデルに関する補足説明のコーナーです。

  最近、攻めのIT活用とか攻めのIT投資だとかの言葉を良く耳にします。手っ取り早く言えば、攻めのIT活用は売上増加を狙うもの、守りのIT活用はコスト削減を狙うものです。

  詳細はブログ⇒ 攻めのIT活用は、自動化・効率化ではなく情報化である!

  では、ビッグデータ分析はどちらへのIT活用でしょうか? 勿論、「攻めのIT活用」です。「守りのIT活用」と大きく異なるのが、対象業務領域なのです。IoTによって膨大なデータを収集できたとして、これをどうすればいいのでしょうか?収集できただけでは、何の効果もありません。

バリューチェーンプロセスにおけるIT活用.jpg

1.「守りのIT活用」の対象業務分野

  バリューチェーンでいえば、「守りのIT活用」は、受注してから生産、出荷、請求などの業務領域です。ここは受注や契約を正しく履行するためであり、顧客から言えば当然のことに過ぎません。しかしながら、今まで大きなコストを要していたため、ITを利用した自動化による効率化・コスト削減が追及されてきました。

  「守りのIT活用」の対象業務領域は、受注・出荷、製造、調達、返品などのサプライチェーンです。しかしながら、高度成長の時代なら別ですが、今やこれらの業務をいくら効率的に行っても売上増は望めません。

2.「攻めのIT活用」の対象業務分野

  バリューチェーンでいえば、「守りのIT活用」は、マーケティング、人的販売、開発・設計、顧客サービスなどの業務分野です。これらにおけるIT活用は、人が行っている非定型的意思決定へIT活用によって有用な情報や判断基準を提供しようとする、自動化ではなく情報化です。昨年位から、米国ではCMO(チーフマーケティングオフィサー)がCIOよりも多くのIT投資予算を持っていると言われています。

  たとえば、ビッグデータ分析では、膨大なデータをアナリティクス分析して、今まで人が想定できなかったような判断基準を与えようとするものです。そして、獲得できた判断基準(ビジネスルール)は、ルールエンジンに即座に反映する場合もあるでしょう。

  2015年のIIBA日本支部のカンファレンスにおいて、日本電気の大石高志氏は、同社が抱える多くのビジネスとそのライフサイクルによって、毎年、約400個のビジネスを改廃し、そのために約40個の新規事業を同時に立ち上げていると述べました。新事業開発には、事業イノベーション戦略本部のグローバル新事業開発グループが、事業開発の標準プロセスであるPLCOR(VCPC参照)とリーンスタートを適用して、そのノウハウを社内共有していると講演しました。だからこそ、同時立ち上げが可能なのです。人に依存していれば、いくら大企業でも40個は同時にはできません。これもビジネスアナリストの活躍の格好の事例ですね。

3.「攻めのIT活用」の対象業務分野を学ぶには

  では、これから主流になる「攻めのIT活用」の対象業務領域(マーケティング、人的販売、開発・設計、顧客サービスなど)について、SEはほとんど未知の分野です。一体、どう学んでいけば良いのでしょうか?

  GUTSY-4に含まれる「業務参照モデル」がこれらの業務分野についての業務用語、業務概念、標準的なビジネスプロセスをカバーしています。事例Aでは、受注設計生産品(ETO品)の売上が2012年比で、2013年は2倍に、2014年は4倍、2015年は6倍になっています。中小企業といって過小評価する方が居られますが、前述の日本電気の一つのビジネスユニットに相当すると考えて下さい。

 

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