業務参照モデルに関する補足説明のコーナーです。

  「業務参照モデルの概要」のところで、業務プロセスのプロセス階層レベル(粒度)を説明しました。それでは、プロセスフロー(プロセス図)では、プロセス階層レベルに応じてどのような使い分けがあるのでしょうか? 下記に、いくつかの場合を説明します。

1.レベル1プロセスフロー

  業務参照モデルのレベル1プロセスを参照して、バリューチェーン上での社外のステークホルダ(サプライヤ、顧客、流通チャネル等)との重要な経営機能(商品開発、販売、生産、調達、出荷など)の関係をもれなく図示したもの。

 ・M&Aにおける権利・義務関係を表現:図ならば海外との交渉も明確

 ・事業リスクの識別:各ステークホルダの経営機能が保持している資産(有形、無形)

 ・イノベーションの検討:シュンペーターが定義した5つのイノベーションをバリューチェーン上で検討

2.レベル2プロセスフロー 

  業務参照モデルのレベル2プロセスを参照して、バリューチェーン上での社外のステークホルダおよび社内ステークホルダ(機能部門)、これとの重要な業務機能の関係を図示したもの。A4の1枚に40個程度の業務機能を記述できます。

 ・現状の業務機能をもれなく洗い出す:いきなりレベル3~5で描くと、必ず漏れが発生してしまう

 ・バリューチェーン上の重要な社内外のステークホルダ間の業務関係を見える化

 ・業務改革・業務革新の検討:部門間の課題解決を検討、設計、合意形成

3.レベル3プロセスフロー

  業務参照モデルのレベル3プロセスを参照して、特定の業務機能を構成するビジネスプロセスをもれなく図示したもの。A3の1枚に70個程度のプロセスを記述できます。

 ・特定商品のグローバルなサプライチェーンのプロセス全体を見える化

 ・現状のプロセスをもれなく洗い出す:いきなりレベル3から描くと、必ず抜けが発生してしまう

 ・レベル2で合意形成した業務改革をオペレーションとして具体化するため、プロセス改革を検討・設計

4.レベル4プロセスフロー

  業務参照モデルのレベル4プロセスを参照して、特定のビジネスプロセスを構成するアクティビティをもれなく図示したもの。A3の1枚に70個程度のアクティビティを記述できます。ただし、プロセスフローだけでなく、個々のプロセス詳細や業務ルールなども記述する必要があります。

 ・レベル3のプロセス改革を実現するため、アクティビティレベルのプロセス改善を検討・設計

 ・現状のアクティビティをもれなく洗い出す:いきなり詳細なレベル5から描くと、必ず抜けが発生してしまう

 ・業務プロセス改善の検討:メインの流れを改善するため、代替処理や例外処理は描かないことが多い

5.レベル5プロセスフロー

  アクティビティを構成するタスクITトランザクションについて、通常処理だけでなく、代替処理や例外処理を含めて図示したもの。

  GUTSY-4では、フォーカスしたアクティビティについてだけ、その下のレベル5を描きます。なぜならば、JSOXの時のように、数万の数のタスクがありますから、無駄な労力を使わないためです。

  業務プロセス上に問題・課題がある場合、いきなり詳細なレベル5プロセスフローを描いては、かえってその原因は特定できません。

6.レベル6以下のプロセスフロー 

  私は、これをほとんど描いたことはありません。

  作業系プロセスは、プロセスフローどうりに流れます。しかし、意思決定系プロセスでは、人の判断で前のプロセスに戻ったりすることがありますので、必ずしもプロセスフローどうりに流れないことに注意しなければなりません。いずれにしても、目的に応じてプロセス階層レベルのプロセスフローを作成しましょう。「木を見て森を見ず」にならないようにしましょう。まして、いきなり枝葉を描いてしまわないように。   

 

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