業務参照モデルに関する補足説明のコーナーです。

  ビジネスアナリストにとっては、①ビジネスアナリシス、②適用分野の業務、③一般的マネジメント、この3つに関する知識とスキルが必要となります。ここでは、適用分野の業務に関する知識・スキルについて、必要な特性条件、また、これを習得する方法を説明します。    

1.必要な特性条件 
  ビジネスアナリストは、組織階層別の相手が業務面で言うことを理解しなければなりません。たとえば、事業戦略は事業部長に、業務課題は機能部門長に、プロセスの現状・分析・設計は現場担当者と会話しなければなりません。業務担当者レベルの業務知識・スキルだけでは不足です。
しかし、ビジネスアナリストにとっての適用分野の業務の知識・スキルは、その深さよりも、むしろ体系的な網羅性の方が重要となることが多い。モレが最大の敵の理由は、

  取り扱う業務やプロセスの範囲は、IT系だけでなく人間系・意思決定系プロセスも含んで広くならざるを得ません。たとえば、業務課題の根本原因が、全く別の業務機能に存在している場合とか、存在すべきプロセスの欠落や人間系プロセスの不備の場合があるからです。

  ビジネスアナリストに必要となる適用分野の業務に関する知識・スキルを習得するのには、実務経験によって習得する方法、そして業務参照モデルを利用する方法、この両方の組み合わせ、この3つがあります。

2.実務経験によって実務スキルを習得する

  実務スキルを網羅的に習得するのには、実務経験のための時間と内容の両面から無理があります。

第1には、現実の実務は、毎日、製品特性や顧客特性の面からの代替・例外処理に多くの時間を取られています。したがって、一企業内において、網羅的な実務経験をするにはやはり時間が不足してしまう。

第2には、内容的には、一企業内では業務やプロセスの本来の目的・機能に関して、基本教育がなくOJTによる場合が多いからです。

  基本を理解できていないまま、毎日、代替・例外処理を多く実務経験しても、ビジネスアナリストとしてはあまり勉強にはなりません。そして、長い実務経験を持つ者が転職してもすぐには戦力にならないのは、こうした理由からです。

3.業務参照モデルを利用して業務知識を習得する

  業務参照モデルを利用して網羅的な業務知識を習得する方法があります。ビジネスアナリストのファシリテーションには必ずしも実務スキルである必要性はありません。

また、業務参照モデルは、相手と会話する場合の網羅的な共通言語となります。大企業の場合は事業部ごとに用語が異なりますし、中小企業でも営業や製造部門ごとに用語の意味が異なるものがあります。 

4.両者の組み合わせ

  まず、業務参照モデルによって業務知識を習得しておいてから、社内留学などの方法によって実務スキルを習得させる方法は効果的です。なぜならば、全体および個別業務の基本を理解できているので、全体業務の中での位置づけと基本を理解しながら、個別業務の実務経験を積むことができるからです。こうした準備なしの社内留学は、時間のムダとなります。

 

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