業務参照モデルに関する補足説明のコーナーです。

拡張性のあるデータやオブジェクト、そしてビジネスプロセスをモデリング(設計)するためには、どうしたら良いのでしょうか。

1.データやオブジェクトのモデリングにおける特化と汎化

データやオブジェクトのモデリングには、汎化特化という概念があります。「特化」されたモデルが解り易いが、そのまま実装したのでは拡張性のないものになるので、「汎化」するという表現がされています。

特化は、現実をそのままモデリングすればいいので、比較的楽でしょう。しかし、現実の特化されたものを、どうやって汎化するのでしょうか。個人の経験、一体、何を基準に? 汎化はむずかしいでしょうね。

2.ビジネスプロセスモデリングにおける特化から汎化へ

担当者が業務実行する階層レベル5のビジネスプロセスでは、取引先やプロダクト種類、自組織からの影響を強く受けて、通常処理以外に特化のための様々な代替処理や例外処理が発生します。

一方、階層レベル2位だと、企業ごとの違いを吸収できるほど粗く汎化されていますので、転職の際の笑い話「私は部長なら出来ます」という発言もあながちウソではありません。

したがって、特化の極まりの階層レベル5からプロセスモデリングから始めてしまうと、これを汎化するのは相当に難しくなります。階層レベル4で見れば同じプロセスが、レベル5だと違うプロセスに見えてしまうからです。

3.ビジネスプロセスの汎化の手法

ビジネスプロセスを相互に比較するプロセスベンチマーキングという手法があります。特化されたプロセスを汎化する唯一の手法といっていいでしょう。しかし、プロセスベンチマーキングでは、協力してくれる相手を探さなければなりません。これも、むずかしい。

4.プロセス参照モデルを利用したプロセスモデリング

プロセス参照モデルは、個別企業を超えて極めて汎化されています。したがって、プロセス参照モデルを個別企業に特化するためにはバリューチェーン特性調査シート、そして特定の事業や製品に特化するためにはドメイン特性調査シートを利用します。抽象化能力に優れた人には不必要ですが。

プロセス参照モデルは階層的になっています。GUTSY-4ではこれを利用して、汎化された上位の階層レベルからモデリングを始めます。その際に、適用するビジネスルールだけが異なる場合は、異なるビジネスプロセスとは見なしません。これは、「継承」と言っていいでしょう。

そして、上位から下位の階層レベルへと特化していきます。また、重要な問題・課題がないと、その下位階層レベルへは特化する必要さえありません。したがって、必ず汎化から特化という階層化アプローチですので、特化から汎化という極めてむずかしい事をしないで済みます。

一方、データやオブジェクトには参照モデルがないので、「特化から汎化」で苦労する訳です。世界中で、同じ苦労を!

 

 

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