ここでは、GUTSY-4が内蔵する業務参照モデルの利用方法として、以下のことを説明します。

 2.2.1⇒プロセスフローの記述例、業務知識やコンサルティングでの利用

 2.2.2⇒人間系プロセスとITシステム系プロセスの記述例、業務知識やコンサルティングでの利用

 2.2.3⇒ITシステムロジックの基となる業務ルールの記述、業務知識やコンサルティングでの利用

 2.2.4⇒プロセスモデリング事例や研修時における効果

  GUTSY-4では、業務参照モデルを利用することで、指導型ならぬファシリテーション型コンサルティングが可能です。大手コンサルティング会社の子会社が行った事例Cでは、工数は20-50%以上の削減が可能、期間は、20-40%以上の短縮が可能、品質は、100-200%以上の向上が可能、と評価して、GUTSY-4の導入に至りました。

 

2.2.1  プロセスフローの記述

(1)プロセスフローの記述例

  プロセスフローの例として、下記に汎用品/専用品/特注品に関する受注・出荷のレベル3のものを示しました。たとえば、最上部には、レベル2プロセス「4.4A 汎用品の受注・出荷」に対する、レベル3プロセス「4.4.01 引合と見積」以下の15個のプロセスを表しています。こうした説明を付けたプロセスフロー解説があります。この図のレベル3プロセスは、さらに4〜8個のレベル4プロセスへ分解されています。

  受注・出荷に関するレベル4プロセスフローです

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(2)利用方法:業務知識、コンサルティング

  コンサルタントだけでなく、SEはITシステム開発においてビジネスプロセスを対象として仕事をしますので、業務参照モデルが有効です。

業務知識として

・ 業務用語集によって、用語の意味を理解することで、まず最低限の業務知識を得る

・ 業務の標準モデルとして、レベル3プロセスおよびレベル4プロセスの構造やプロセス間のつながりを理解する

・ SEが経験したIT系プロセスの前後の人間系プロセスを知る

・ プロセスフロー解説とフロー事例を通じて、個々の業務プロセスの位置付けを理解する

  例) グローバル製造業のサプライチェーン(レベル3)、

    中小製造業の動脈流と静脈流(レベル4)、

    保険代理店業務(レベル4)など

・ 持続的効果がある教育用コンテンツとして

     言葉だけによる業務知識教育は、どの時点でそれを使用するのかが不明であり、教育終了後には忘れてしまい役に立たないことが多い。

  一方、プロセスフローとそこにおけるプロセス機能、そこでの業務用語の教育では、対象業務プロセスが明確であるため、教育終了後もコンテンツを取り出せば、すぐに思い出せます。⇒ブログ:業務知識研修事例

コンサルティングの際に

・ プロセス記述の際に、プロセス粒度すなわちプロセス階層レベルを統一できる

・ 現状プロセスの見える化、すなわち調査の際に、プロセス参照モデルのフローを仮説としてスクリーンに映しながら、もれなく正確に短時間で確認できる

   例)10数個のプロセスから成るプロセスフローの調査時間は約15分

   この際に、プロセス参照モデルを部品として組み合わせて、実際のビジネスプロセスを記述します。

   例)受注組立生産では、半製品の見込生産+半製品からの受注生産

・ プロセス参照モデルによって、必要だが現状にないビジネスプロセスを明確にできる

  現状プロセスの調査・記述では、現状をただ忠実にそのまま記述すればよい訳ではありません。プロセスの欠落も明確にすべきでしょう。日本企業の多くはEnableといった共通支援・管理プロセスが欠落しており、たとえば分社化した場合などに、それが表面化してトラブルとなる例をよく見受けます。

・ プロセス参照モデルは、ユーザとのコミュニケーションツールや仮説として使えるプラクティス

      業務経験が乏しい若年SEでも、現状プロセスの「見える化」を担当できます。⇒事例B:東京海上日動システムズ社

業務参照モデルを利用したプロセスフローの記述イメージ⇒ブログ:参照モデルを利用したプロセス記述のイメージ

2.2.2  プロセス詳細の記述(プロセス詳細記述書の作成)

  よく、業務フローだけの記述成果物を見受けますが、プロセス機能は簡単な言葉しか記述されていません。これでは何も業務を記述したことにはなりませんし、SOXの3点セットの方がまだマシです。

  GUTSY-4では、プロセスフロー以外に、プロセス機能の記述のためのプロセス構成要素(すなわちメタモデル)について、計3回の大改訂を行って、下記の概略で6個、詳細で15個に落着きました。ブログ⇒プロセス構成要素の意義は業務観察法

(1)人間系プロセスとITシステム系プロセス

  ビジネスプロセスでは、業務参照モデルを参照しながら人間系のプロセスと、ITシステム系の両方のプロセス詳細機能を定義します。プロセス詳細機能では下記のようなプロセス構成要素(メタモデル)が重要となります。

M800-114.jpg

 

(2)利用方法:業務知識、コンサルティング

  コンサルタントだけでなく、SEはITシステム開発においてビジネスプロセスを対象として仕事をしますので、業務参照モデルが有効です。

 業務知識として

・ プロセス記述の際のメタモデルとしてのプロセス構成要素の意味を理解する

・ プロセスフロー中の個々のプロセスについて、その機能、インプットやアウトプット、業務ルール、担当組織、プロセスパフォーマンス指標などを理解する

・ SEが経験したIT系プロセスの本来の機能を理解する

 例) 製造の6つのプロセスを使って、種々の製造工程を描き、それぞれどう違うかを理解

・ SEがIT系以外の人間系や意思決定系など、未経験の業務プロセスの概要を知る

 持続的効果がある教育用コンテンツとして(プロセスフローと同じ)

     言葉だけによる業務知識教育は、どの時点でそれを使用するのかが不明であり、教育終了後には忘れてしまい役に立たないことが多い。

  一方、プロセスフローとそこにおけるプロセス機能、そこでの業務用語の教育では、対象業務プロセスが明確であるため、教育終了後もコンテンツを取り出せば、すぐに思い出せます。⇒ブログ:業務知識研修事例

コンサルティングの際に

・ 現状プロセスの調査の際に、存在するとされた個別のプロセス詳細をスクリーンに映しながらもれなく正確に確認するために利用できる

      例)プロセス機能、ITシステム機能、インプットやアウトプット、業務ルール、担当組織など

 短時間でもれなく正確に現状プロセス詳細を調査するための仮説として利用できる

    例) 複雑なプロセスでも1つのプロセスの調査時間は約20分

・ 現状プロセスの課題を抽出するために利用できる、すなわちファシリテーションツール

  現状調査の最中に、ユーザがこれが課題だと気付く  

  例)この業務ルールが確立していないこのインプット情報が不正確

・ 現状にないプロセスを新たに設計する場合に、このモデルをベースに新たな設計を議論できる 

・ プロセス参照モデルは、ユーザとのコミュニケーションツールや仮説としてのプラクティス

   業務経験が乏しいSEでも、現状プロセスの「見える化」を担当できる⇒事例B:東京海上日動システムズ社

業務参照モデルを利用したプロセス詳細の記述イメージ⇒ブログ:参照モデルを利用したプロセス記述のイメージ

 2.2.3  業務ルールの記述(業務ルール説明書の作成)

  業務ルールはITシステムロジックとして展開される事が多く、プロセスモデリングでは極めて重要なものです。ただし、1つの業務ルールが複数の業務プロセスに適用されることがあります。

  意思決定系プロセスにおける判断基準や行動基準もルールです。従って、GUTSY-4では、合否判定、選定、アクション誘導、レベル判定、計算、ガイドライン、標準化されたノウハウなどのルールがあります。

  業務ルール(ビジネスルール)とは何か⇒ブログ記事:ビジネスルールとは何か、その特徴と種類は?

(1)業務ルール説明書

  下記にレベル4の業務ルール説明書の例を示します。レベル3の業務ルールは、レベル4を包括したものであるように、業務ルールも階層化しているのです。

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(2)利用方法:業務知識、コンサルティング 

  コンサルタントだけでなく、SEはITシステム開発においてビジネスプロセスの業務ルールからITシステムロジックを設計しますので、業務参照モデルが有効です。

業務知識として

・ 個別プロセスにおける必要な業務ルールとその概要を知る

   業務ルールは制約ルール、計算方法からガイドラインやノウハウまで広範なもの
         例) 商品アイデアのスクーリングルール、商品コンセプト記述ルール、商品ポジショニング分析ルール(商品カテゴリー)
・ SEが経験したIT系プロセスのITシステムロジックの本来の意味を理解する
         例) レベル5 購買価格計算ルール に対する
        レベル4 購買価格設定ルール(4.2.3-3)
        レベル3 購買契約管理ルール (4.2E.10-3)
・これも、 業務知識教育で持続的効果を得られる教育用コンテンツとして(プロセスフロー、プロセス詳細と同じ)

コンサルティングの際に

・ 現状プロセスの調査の際に、プロセス機能の詳細として、適用される業務ルールを調査する時に利用すれば、これを短時間でもれなく正確に調査・記述できる
・ ブラックBOXとなっている現状ITシステム機能を調査する場合に、業務ルールの仮説として利用できる
   例) ITシステム機能のロジックは、業務ルール(一部)の実行をITシステムロジックとして自動化したもの、画面や帳票は外に出るが   

・ 現状プロセスにおける業務ルールに関する課題を抽出するために利用でできる

         例) 現状プロセスに不足している、あるいは不明確な業務ルール

・ 現状プロセスにない業務ルールを新たに設計する場合に、これをヒナ型と利用して設計できる
・ レベル5では、この設計をもとにさらに詳細な業務ルール定義書を作成する

2.2.4  プロセスモデリング事例や研修時における効果 

  業務参照モデルを利用したビジネスプロセスモデリングにおいて

(1)一貫事例では

■ 株式会社今野製作所

  調達・製造・受注・出荷、および開発統括・設計・試作の業務について利用。現状で欠落していた開発統括(コンカレントエンジニアリング)のプロセスは、業務参照モデルのそれを利用して新たに設計しました。⇒事例A①

      また、中小企業企業連携インダストリー4.0事例でも、業務参照モデルを利用して3社共通のビジネスプロセスを設計しました。⇒企業連携プロジェクト概要(顧客とつながる町工場)

■ 東京海上日動システムズ株式会社

  25歳の若手SE3人が、業務参照モデルを利用して、保険代理店業務の「見える化」を実現。業務知識が乏しい若手SEがビジネスアナリシスできたのは、業務参照モデルを利用して代理店側をファシリテーションしたからです。⇒事例B①

(2)研修事例 

■VCPC:業務参照モデルの紹介コース

  NPOのVCPCにおいて、全くのプロセスモデリング未経験者に対して、業務参照モデルを利用してプロセスフローやプロセス詳細記述書の作成の方法を、解説し、2つの演習をしてもらっています。

まず、演習の最初はプロセス参照モデルもなく、プロセスフローやプロセス詳細記述書を描いてもらったら、自分が経験したプロセスは多少はできましが、物流とか未経験の業務はお手上げでした。10分後に、業務参照モデルを渡して続きをやってもらったところ、演習が進みました。

 演習終了後の受講者の声です。

 ・実際に手を動かして、プロセス参照モデルを利用したプロセスモデリングが体感できた。

 ・プロセス参照モデルを仮説として、業務プロセスのモレのない把握への有用性を実感した。

 ・「業務プロセスについて仮説を立ててから質問する」について、

  最初からヒアリングするのは、こちらも相手も疲れるし時間もかかるが、プロセス参照モデルによって仮説を立ててからなら、お互いにストレスもなく短時間になるのは最高と感じた。

 ・プロセス参照モデルの利用で、プロセスの粒度の統一と洩れのないプロセスフローを作成できた。

 ・プロセスモデリングの成果物の5点セットの利用方法が理解できた。

 ・全く業務経験のない私のような新人でも、プロセス詳細記述書などを見てある程度、業務内容を理解し、プロセスモデリングできるのは「スゴイ」と思った。

■SI企業の事例

  JFEシステムズ社の業務知識教育(中級)コース 調達・製造を2日間で⇒ブログ:業務知識研修事例

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