ここでは、GUTSY-4が内蔵する業務参照モデルの概要として、以下のことを説明します。

 2.1.1⇒業務参照モデルが内蔵するコンテンツ一覧、その内容

 2.1.2⇒カバーするバリューチェーン上の業務範囲(マーケティング、商品開発・設計、調達・製造・出荷)

 2.1.3⇒利用メリットとして、目的に応じたプロセス階層レベル(粒度)の設定、ファシリテーション

 2.1.4⇒業務参照モデルを利用したプロセスモデリングのステップ

     その成果物( フロー、プロセス詳細、イン・アウト、ルール)

 2.1.5⇒業務参照モデルの主な特長、多くのメリット

2.1.1 業務参照モデルのコンテンツ

  業務参照モデルは、下図のように、ビジネスアナリシスや、プロセスモデリング(BPM)の際に参照可能な業務機能やビジネスプロセスに関する、プロセスフローやプロセス機能詳細などのコンテンツを表したものです。

(1)参照モデルのコンテンツ一覧

1. ステークホルダ関連図

2. 製品特性、業務形態

3. 業務機能体系

4.プロセス参照モデル

7. 業務用語集



業務構造図、顧客、顧客の顧客

サプライヤ、自社組織機能

③業務機能体系表(4階層)

④業務プロセスフロー&解説

レベル1〜3
レベル4 調達・製造・出荷
   商品企画・開発・設計
   マーケティング・
   人的販売・顧客サービス

⑤プロセス詳細記述書

⑦業務用語集(一般)

 

①A.業種別ステークホルダ関連図

①B.組織機能リファレンスモデル

③A.業務インタビューシート(レベル2)

③B.業務インタビューシート(レベル3)

③C.標準ITシステム機能リファレンス

⑤A.インプット/アウトプット説明書

⑤B.業務ルール説明書

⑤C.内部統制リストチェックリスト

⑤D.レベル5ITプロセステンプレート






M800-000 業務参照モデルのコンテンツ.pdf

(2)業務参照モデルのコンテンツ内容

コンテンツ名コンテンツ内容
① A.業種別ステークホルダ関連図 8業種別に企業の全体業務と外部ステークホルダとの関連を図示。
① B.組織機能リファレンスモデル 企業全体業務(レベル1~3)に対応する組織名、組織機能を説明。
③ 業務機能体系表 企業の全業務(レベル1~4)に対応するプロセス名の一覧。特に、レベル1~3は組織機能リファレンスの組織名と対応付け。
③ A.業務インタビューシート(レベル2) 企業の業務(レベル2)における業務課題の抽出のための質問項目。
③ B.業務インタビューシート(レベル3 企業の業務(レベル3)における業務課題の抽出のための質問項目。
③ C.標準ITシステム機能リファレンス 企業の業務(レベル4)に対して、標準的なシステム名、サブシステム機能名、機能概要を説明したもの。
④ 業務プロセスフロー プロセス参照モデルの業務(計画・調達・製造・出荷、設計・開発、マーケティング・販売、顧客サービス)に関するプロセスフロー(レベル2~4)。
⑤ 業務プロセス詳細記述書 プロセス参照モデルの各プロセスについて、全てのプロセス構成要素、プロセス例、ベストプラクティス(含むIT)をExcel一枚に記述。
⑤ A.インプット・アウトプット説明書 各プロセスごとに、含まれるインプットとアウトプットの名称、区分、CRUD区分、説明、主要データ属性などを説明したもの。
⑤ B.業務ルール集 各プロセスに含まれる業務ルールについて、名称、内容、関連事項を説明したもの。
⑤ C.内部統制リスクチェックリスト     各プロセス上のリスク、アサーション、コントロール目標(以上、RCMヒナ型)へのコントロール手続例をしめしたもの。
⑤ D.レベル5ITプロセステンプレート プロセス詳細記述書のインプットとアウトプットについて、それに対応するSAPトランザクション機能を説明したもの。
⑦ 業務用語集 一般的な業務用語を説明したもの。

 

2.1.2 業務参照モデルがカバーする業務範囲

(1)バリューチェーンプロセスとプロセス参照モデル

  顧客獲得、契約履行、顧客維持のそれぞれをカバーできる、ビジネスプロセスに関する世界のナレッジを集めたプロセス参照モデル、すなわちMECE(もれずだぶらない)な標準的な部品があります。これを組み合わせれば、たとえば、受注組立生産は、半製品を見込生産しておいて、受注によってそれ以降を受注生産するという組み合わせで記述できます。

  下図の( )はカバーしている階層レベルを示したものです。

     SCORは、サプライチェーンに関する調達、製造、受注・出荷、およびこれらの計画プロセス

     DCORは、製品開発に関する、構想設計、設計、試作、設計修正およびこれらの計画プロセス

     ⇒ ブログ記事:プロセス参照モデルとは?

   業務参照モデルは、下記のバリューチェーン全体をカバーし、これに関するプロセス参照モデルなどの各種コンテンツを保持しています。















顧客獲得

契約履行

顧客維持

顧客

マーケティング
人的販売

支援活動

主活動

戦略

人事

経理

財務

知財

情報

受注

サプライチェーン

調達、生産、納入

製品設計、生産設計

デザインチェーン

請求

顧客
サービス

顧客

CCOR(1~3)

SCOR(1~3)、ESCORT (4)

DCOR(1~3)、EDCORT (4)

VRM(1~3)、XRM (4)

マーケティング、人的販売、顧客サービス(1~4)

PCF(レベル1~4プロセス名だけ)

経理・財務業務鳥瞰図

業務機能体系表Ⅰ(1〜4)、一部Ⅱ(5〜6)

 

2.1.3  業務参照モデルの利用メリット

①目的に応じて、下記表のようにプロセス階層レベル(プロセス粒度)を統一できる(地図では縮尺に相当) 

仮説として利用することで、プロセスの抜けの発見、プロセスモデリングの生産性の向上(事例A:株式会社今野製作所

適用分野の業務の知識・経験が乏しくても、プロセスモデリング(見える化)できる(事例B:東京海上日動システムズ株式会社

④業務参照モデルを利用したファシリテーションによって、SEでも相手から課題、要求、解決策を引き出せる(事例:両方とも

 

業務プロセスの階層レベル(粒度)
レベルプロセス階層の意味組織例
事業戦略 事業部
経営機能
経営改革を検討・設計
製造本部
事業本部
業務機能
業務改革を検討・設計
製造部
営業部
業務機能内の
ビジネスプロセス上位
プロセス改革を検討・設計
生産計画課
営業課
ビジネスプロセス中位
(アクティビティ)
プロセス改善を検討・設計
生産計画係
受注係
ビジネスプロセス下位
(タスクやITトランザクション処理)
プロセス改善を実行できるように実装
生産計画者
受注担当者
トランザクション機能部品
(アクションやITコンポーネント機能)
 

⇒ブログ記事:プロセス粒度とは、プロセス階層レベルとは、これを正しく設定するには

 

2.1.4 業務参照モデルを利用したプロセスモデリングのステップと成果物

(1)ビジネスプロセスのモデリングの目的

  どのプロセス階層レベルでプロセスモデリングすべきかは、その目的によって異なります。   

  • レベル1:事業リスクの抽出や企業間の提携   
  • レベル2:業務改革の設計と合意形成   
  • レベル3:業務改革をビジネスプロセス改革として具体化   
  • レベル4:ビジネスプロセス改革の実現やプロセス改善   
  • レベル5以下:実行レベルのプロセス設計・実装やITモデル構築  

  下位になると膨大なプロセス数になりますので、プロセスモデリングの目的によってプロセス階層レベルを設定します。また複数人で行う場合は、絶対にプロセス階層レベルを統一せねばなりません。縮尺が異なる地図はお互いにつながらないからです。

⇒ ブログ記事:プロセス階層レベル別のプロセスフローの使い分け

(2)プロセスモデリングのステップ

  プロセス階層レベルを問わずに、以下の共通的な5つのステップで行います。  

 ①現状プロセスの調査・記述 :業務参照モデルを仮説として、もれなく正確に効率的に調査 

 ②現状課題の抽出:現状プロセス階層レベルでの課題の抽出

 ③上位設計からの構造化:上位で設計されたことを当該レベルへと構造化

 ④プロセス分析:②の根本原因の解決、③のCSF(重要成功要因)の実現、この両方を分析 

 ⑤新たなプロセス設計:課題分析した内容を実現できる解決策を設計   

  プロセス階層レベルが5の場合は、プロセス数が数万以上になるため業務参照モデルはありません。したがって、上記③では、定型的プロセスは業務イベント分解法、非定型的プロセスは意思決定ダイアグラム法によって、レベル4からレベル5に構造化します。

(3)ビジネスプロセスモデリングの成果物

  業務参照モデルを利用したビジネスプロセス記述では、下図のように4種類の成果物を作成して、用語集を更新します。用語集もない業務フローだけではほとんどプロセスモデリングした事にはなりません。

  業務プロセスフロー、業務プロセス詳細記述書、インプット・アウトプット説明書、業務ルール説明書の例を示します。下記のプロセス詳細記述書では、左側の約15個のプロセス構成要素に基づいて記述します。これによって、間接的に「業務観察」したことになる訳です。































































エンティティ名称
主要データ属性媒体

業務プロセスの機能をメタモデル(プロセス構成要素)別に記述

ルール名称
ルールの目的と主な内容を自然言語で記述

⇒ ブログ記事:プロセスモデリングのポイント(補足)

2.1.5 業務参照モデルの主な特長(まとめ)

プロセス階層レベルの規定はグローバル標準に沿っている ⇒前述2.1.3の階層レベル

 従って、IoTとの接続もCIM階層レベルに沿ってできる

プロセス参照モデルの基本は、プロセスフローだけではなく、個別プロセスの詳細記述書の2つ ⇒前述2.1.1のコンテンツ

■ビジネスプロセスの記述は、業務観察となる15個のプロセス構成要素(メタモデル)による ⇒前述2.14のプロセスモデリングの成果物

プロセス参照モデルとしてレベル4までを内蔵 ⇒前述2.1.3のコンテンツ

■プロセス参照モデルには、業務ルールとインプット・アウトプット説明書を含む ⇒前述2.1.1のコンテンツ

■マーケティングや商品開発を含めて、バリューチェ-ンの全業務をカバー ⇒前述2.12のバリューチェーン

■入社4年目のSEでも、マーケティング、人的販売、顧客サービス業務のプロセスモデリングが可能 ⇒事例B

■10名の専門家レビュー、および実プロジェクト適用後のバージョンUP

  業務参照モデルには、上記以外に、業務用語集、組織機能リファレンス、業務機能体系表、業務課題インタビューシート、内部統制リスクチェックリスト、標準ITシステム機能リファレンス、パフォーマンスメトリクスなどを内蔵。

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