最近のTVコマーシャルでは、冷蔵庫のすばらしい機能を宣伝している。しかし、我が家では、「製氷機能」自体が全く使えないという現状です。これを、GUTSY-4の製品企画・設計プロセスの観点からレビューをしてみましょう。

  このお馬鹿な事は、製品設計ではなく、製品企画プロセスにその原因があります。顧客ニーズの分析や商品アイデアの創造ではなく、商品コンセプトの開発・テストそのものです。

  まず、製氷機能自体は、T・レビットが提唱したホールプロダクト概念では、顧客が当然ある筈だと考える「期待製品」に過ぎません。しかし、それは我が家では全く使えず、氷はスーパーから購入してきているのが現状です。なぜ、そんなお馬鹿なことになっているのか、冷蔵庫のコンセプト設計ミスだからです。  

  顧客ベネフィットからすれば、製氷機能は冷蔵庫が持つ付帯サービスです。だが、その冷蔵庫の製氷機能は、「水を貯める場所」から「製氷と保存する場所」に分かれています。問題は、前者から後者へ水を供給するパイプなのです。冬の期間はそれを全く使用しておらず、いざ夏に使おうとするとそのパイプの不衛生さが気になってしまう(特に、我が家の主婦は)。
  これは、サービス品質として全くダメです。ジュラン提唱の心理的品質も、諏訪良武氏提唱の安心を満たしていません。高学歴の製品設計者がなぜ、こんなお馬鹿な商品コンセプトを設計してしまうのか? 設計レビューは行っていないのか、メーカーに聞きたい。

  GUTSY-4の商品企画プロセスにおける「商品コンセプト設計」には、詳細プロセスの中に以下のようなプラクティス代表例の記述があります。

  ・ホールプロダクト概念、顧客体験CX,UX、コンジョイント分析、デザインスプリント、設計評価法(DFX)

  ・ステージゲート法

  ステージゲート法というのは、商品企画・設計者だけでなく、マーケティング・営業など他部門も参加して行うレビューです。お馬鹿な冷蔵庫のメーカーは、コンセプト設計レビューも、ステージゲート法によるレビューも行っていなかったということか。

  全部、設計者にお任せ?「良いモノ」の概念が大きく変わっているのに。どこが「ものづくりニッポン」なのか。品質大家のジュラン曰く「いくら技術の粋を尽くしても、消費者が買わなければそれは不良品である」と(1960年代)。

  グローバル市場から見れば、日本製品は多機能高価格で中進国には売れない。多機能は高品質ではなく高グレード、中進国にとっては過剰機能なだけ。品質とグレードを勘違いした日本。この象徴が、我が家の使えない製氷機能。