問題・課題は、ヒアリング手法では、本人が認識しているテーマしか抽出できません。私の経験によると、ヒアリングでは実際の約半分程度しか抽出できません。それは、なぜでしょうか? ここでは、モレなく抽出する方法について説明します。

  (注) GUTSY-4では、問題とはそれによる悪影響が現在に顕在化しているところのテーマと定義。

    悪影響がまだ顕在化していないものは課題という。

1.問題・課題は質問して引き出さねばならない

  ヒアリングでは、本人が意識した問題・課題しか抽出できません。その理由は、人の意識にはバイアスがかかっているからです。それは、つい最近に生じたとか、自分がその影響を大きく受けたとか、ベテランや上位者では自分が関わったレアケースなど。

  ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4には、見込生産、製品設計、マーケティング、人的販売など、約30個の業務機能 (部クラスのハイレベル)に関する課題質問シートを用意してあります。  

  この課題質問シートを利用すればヒアリングの2倍以上の問題・課題を引き出せます。ある企業では、部長クラスから質問で引き出した問題・課題を上位の統括部長に報告したところ、彼は自分自身が把握していないものが多数出てきて愕然とした事例がありました。  

2.GUTSY-4の業務課題質問シート

  これは、マーケティング・販売、人的販売、研究・商品開発、設計・試作、調達、製造、受注・出荷、顧客サービスなど、多くの経営機能、そしてそのすぐ下の40個弱の業務機能をカバーしています。そして、多くの日本企業に欠落している、これらを支援・促進・管理するEnable機能も含みます。

  質問項目は、大きく4種類。当該の業務機能に対するインプット、そのアウトプット、そのパフォーマンス、そして、業務機能に含まれる主要機能など、一つの業務機能において約30個弱の質問項目が用意されています。

  GUTSY-4では、これらについて経験者に作成してもらおうと依頼しましたが、全くダメでした。深い経験を持つ人はそれに引きずられて、逆に網羅ができませんでした。

3.モレなく引き出した問題・課題を絞り込む

  GUTSY-4では、モレなく引き出した、問題・課題について、その悪影響を分析して、重要なものに絞り込みます。企業に多くの問題・課題があるのは当然。悪影響が小さいものは、一旦、保留して置きます(無視)。

  次に、この重要な問題・課題について、根本原因を究明します。私の経験では、ある業務機能上の重要な問題・課題の根本原因は他の業務機能に存在したり、対応するEnable機能の不備とか、これらが少なくはありませんでした。トヨタでいう「5回のなぜ」も頷けます。

  GUTSY-4では、この根本原因の特定のために、TOC現状分析ツリーなどを利用します。業務機能というハイレベルの問題・課題に絞っていますので、このシンプルなツリー図を考えればいいのです。根本原因を特定できれば、次はこの解決策を考えることですが、もうここまでくれば難しくはありません。

  ちなみに、GUTSY-4はこれらの道筋をファシリテーションしますが、コンサルタントが根本原因や解決策を示しません。(ユーザ責任者が自分で考えないと、解決への責任感が薄れる)

     ある企業では、コンサルティング会社の指導のもと、ユーザからアンケート形式で問題・課題を出させ、合宿でそれをグルーピングして、それらの解決策をユーザに考えてもらいました。問題・課題には、業務機能というハイレベルよりも、身の回りで生じている些少なものが多く、それを解決しても効果が極めて薄く効果が小さくボツとなった。著名コンサルティング企業といえど、お粗末の巻。