開発済の業務参照モデルをITに載せるためのレビューを実施しています。同時に、経営機能間の情報のやりとりを明確化するために、赤太字ゴシック化の作業もしています。

  経営機能とは、マーケティング、人的販売、技術研究、商品企画、製品設計、製造設計、サプライチェーンの計画、調達、製造、出荷、顧客サービスなど

  ここで、この経営機能間の連携は、机上でも相当に厄介です。しかし、現実的に連携がなければ各経営機能は孤立してしまいます。市場からのニーズを捉えていない研究開発のように。

  日本の研究開発投資は高額なのに、なぜ新商品が出てこないかは、全体図を見れば一目瞭然です。

1.経営機能間の連携が不十分

  前世紀の後半は比較的単純でした「良いモノを作れば売れた」。マニュアル作成や教育訓練がほどほどでも、製造や調達などの経営機能に関しては日本人個人の能力がそれをカバーしました。

  現在は、グローバル競争そしてSDGsなど社会からも、経営機能やその連携への要求はどんどん強くなります。さらに、標準化されずに暗黙知化している場合には、担当役員やベテラン担当者が交代すると劣化してしまうリスクさえあります。

  P&Gや3Mなどのグローバル企業が、20年も30年もかけて、自社プロセスの標準化に取り組むのは、この理由からです。経営機能間の連携、そして標準化の上に搭載すべきベストプラクティスの発見と開発。もはや、AIが人間の能力を超えようかという時代に突入。

  プロセスを標準化しないと、この企業独自ベストプラクティスも、AIからも利活用できません!

2.従って、新商品開発が遅い

  特に、新商品開発は、元々、成功率が低い。品質の大家ジュランが50年前に曰く「技術の粋を尽くしても、消費者が買わなければそれは不良品である」と。

  画期的な技術研究に成功しても、ノーベル賞受賞の吉野博士談にあるように、「魔の川を下り、死の谷をくぐり抜け、ダーウィンの海に出る」によって、奔放な市場で生き残らねばなりません。最上流で産卵された鮭の卵はどれだけが海で生き残れるのでしょうか。

  従って、成功確率を高めるためには、技術研究から市場投入までの期間を短縮するしかありません。ここには、勝つ法則はなく、なるべく負けない法則だけです。マーケティングからの新商品開発プロセスを標準化・迅速化して負けるリスクを低減するしかありません。プロ野球の野村監督曰く「不思議な勝ちはあるが、不思議な負けはない」と。

  「いやぁ、新商品がなくても、今までの日本の技術があるさ」と思いたくなるでしょう。これでは発展途上国が猛烈に追い上げて、従来のように利益を上げられません。ジリ貧を覚悟ならばOKですが。

3.まとめ

  高度成長時代の日本の成功は、日本人個人の勤勉さや優秀さが、マニュアル化や標準化を越えて効率化しました。その後、失われた30年となるのは、高度成長時代の幸運の成功に酔って何もしなかった、政府や企業Topの責任でしょうね。その責任者はもうこの世にいないかも。