プロセス参照モデルの効用は、「プロセスの見える化」やプロセスモデリング、IT要求を引き出すだけではありません。以下、私、渡辺の個人的な使い方をお話しします。

1.話す・書く側から

  自分の言いたいことを全て限られた時間内に話し終えるのは、いくら事前に設計しても無理です。私自身、講演し終えてから、「あー、あれを話し忘れた」と反省することは何度も。そして、それは、それは書籍や雑誌の記事を書き終えて、活字になった際も同様です。

2.聞く・読む側から

  話す・書く側は一人ですが、聞く・読む側は多種・多用な期待を持っていますので、その間には必ずギャップが生じます。例えば、講演を聞いた後で、〇〇の部分は理解できたが、その他は理解できなかったと、通常は2つに分けられます。

  しかし、プロセス参照モデルを仮説やフレームワークとして、講演内容を整理すると、3つに分けることができます。

  ①よく理解できた話の部分、②理解できなかった話の部分、③どちらでもないが推測できた部分(話にあっても話になくても)。

  講演内容について、プロセス参照モデルを仮説やフレームワークとして整理すれば、上記①②以外に新たに③の部分が生まれて、講演を聞いた時間をその何倍にも活用できます

3.プロセス参照モデルは、「話す・書く側」と「聞く・読む側」とをつなぐ 

  事例A①の今野社長は、プロセス参照モデルを知り仮説として使い始めてから、同じ中小企業の社長同志の会話での聞き方ががらっと変わったと言います(事例A②)。「今、プロセス参照モデルにおけるここの領域の話をしているが、隣接したあの領域との関係はどうだろう? あるいは何も触れていないがあそこの領域はどうだろう?」という訳です。

  私自身は、通信カラオケ開発の苦労話を聞いた後、プロセス参照モデルを使い、上記①を整理、②不明確な部分を明確にし、③話に出てこなかった部分を仮説して、講演者に送りました。そして、縁あって別の機会にその講演者にお会いした際に、「たった40分しか話してないのに、あれ程まとめ上げたのはすごい。」と褒められました。③の仮説がそこそこ当たっていたようです。

  ビジネスマンは使える時間が限られています。そして、全てのことを実体験できる程、人生は長くはありません。もし、他人の経験を整理・仮説して疑似体験できるならば、限られた時間を何倍にも有効活用できます。それを可能にするのが、プロセス参照モデルなのです。

  昔、日経ビジネス誌を購読していた際にも、気になった記事はプロセス参照モデルによって、上記③の部分を仮説したものです。多くの講演を聞き流したり、多くの書物を読み流すよりも、たとえ絞ったとしてもそれを仮説によって推測した方が、より深く聞け、より深く読み込めます。

  プロセス参照モデルを利用して、あなたの私的時間の密度を高めませんか!