私が過去に遭遇した「論理思考」の誤りをいくつかご紹介します。もちろん、GUTSY-4に内蔵した技法ではこんな事はありません。

1.因果関係

  『論理思考プロセス』H・ウィリアムデトマー、同友館、P77-90では、因果関係の正当性ルール(C20-30-02)として、明快さ、エンティティの存在など8つのルールを述べています。しかし、これは、ある原因がある結果に対する因果関係について、形式的な条件を示しているだけです。因果関係の強度は、相関係数によって決まるのです。統計解析できる場合はこの算出もできる。

  たとえば、プロセス階層レベルの異なるもの同志では、たとえば静岡県全体と富士市との関係のように、その因果関係はかなり弱くなります。TOC現状分析ツリーは、プロセス階層レベルが異なる課題を入れてしまうと相関係数が弱くなり、正当な因果関係にはなりません。技法とは、一定の前提条件を満たした場合に、初めて使えるものです。

  どんな職位でも、因果関係付けすることが多いかと思いますが、意外に誤りやすいものです。

2.KJ法

  この著名な技法は、文化人類学者の川喜田二郎(東京工業大学名誉教授)がデータをまとめるために考案したものです。文化人類学のフィールドワークを行った後で、集まった膨大なデータをいかにまとめるか、試行錯誤を行った結果、カードを使ってまとめていく方法を考え、KJ法と名付けた。多くの断片的なデータを統合して、創造的なアイディアを生み出したり、問題の解決の糸口を探っていきます。[wikipediaより]

  しかしながら、人類、人種、民族など明確に階層化できる、された対象には有効ですが、階層が曖昧な対象については有効ではありません。

  ある著名な外資系コンサルティング会社の報告書について、その効果が薄いと企業の経営陣が躊躇した案件に関して、第三者レビューの仕事を請け負ったことがあります。この報告書は、企業内の各職階層からアンケートで課題を集めて、それをKJ法でグループ化した上で、その解決策を考案したものです。それらの課題は、プロセス階層レベルで言えば、レベル2から5位までのバラバラの大きさでした。したがって、その解決策とは正当な因果関係はなく、まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」という破綻した結論でした。いくら著名コンサルティング会社でも、実態はお粗末でした。

3.システム思考

  ある製造業(営業、製造、調達の3本部制)において、急な需要増という問題に対する各本部での解決策が、他本部の問題を生み出すという、混乱のループと増幅を引き起こしました(C20-40-03。その結果、経営陣は大きな中国特需と読み誤って、新工場建設を意思決定しました。そして、2年後の新工場完成時に、リーマンショックを迎えたのでした。大手装置産業の子会社なので倒産は免れましたが、そうでなければ確実に倒産です

  これは、『最強組織の法則』ピーター・M・センゲ著、守部信之訳、徳間書店、1995で述べている、『人はシステム思考をせず、スナップショット思考によって誤る、「急ぎたい気持ちに負ける」「解くべき問題の定義を惜しみ、解答に飛びつく」』という事例です。

  これから、経営マネジメントを志す方は、是非、システム思考できるように、自分自身を鍛えて下さい。いくら現場経験を積み重ねても、正しい思考方法を学び・訓練しなければ、システム思考はできません。

  

   マネジメント職になれば、自分が経験していない多様な問題に直面します。GUTSY-4には、様々な論理思考の技法の正しい適用条件と方法、事例を内蔵しています。単なるビジネスアナリシス方法論だけでもありません。ぜひ、GUTSY-4で論理思考力を鍛えて下さい。