『なぜ会社は変われないのか』(柴田昌治著、日本経済新聞社) という本が、1998年にベストセラーになりました。

  同書(3回くらい読んだなぁ)では、日本企業の低い組織の生産性の原因として、『保険仕事の存在』をあげていました。保険仕事とは「自分が生き残るためにやっておく仕事」、たとえば、何となく居残ってする残業(目先のガンバリズム)や過剰な会議資料準備などなど。
  同書が出て20年。保険仕事は少しも変わりません、日本人の生産性が世界で20何番目だとかに表われています。統計の取り方がどうだとか細かな事を言う方もいますが、かなり低い事は確かです。

       まして、多くの働き方改革は、ほとんどが対処療法であり根本原因を解決するものではありません。最大の噴飯ものは、「残業規制のために無人監視機を飛ばす」(ブラックジョークでしょう)。

  同書で挙げた保険仕事はなぜ存在するのでしょうか? 私が考えるには、仕事の範囲や仕方(業務プロセス)が曖昧だからです。やむなく総合職とかの職種をつくって誤魔化す場合もありますが、これは海外では、裁判ものでしょう。

1.多くの業務改革は挫折する

  当たり前ですね。業務改革するためには、上級管理職は自分の戦術を明確にせねばなりません。多くの場合は自分自身を改革せねばなりません。たとえば用語⇒会社の中で用語が通じない日本、役員会議も

  自分を変えずして、組織全体が変わる訳はありません。たとえば、実行プロセスを支援・促進するEnableプロセスが欠如している場合は、いくら実行プロセスを改革しても効果なし。その責は部長自身、あるいは事業部長にあり。   

  a. 上級管理職(部長)は、自分の戦術を明確にして、それによって本当に業務改革が実現できるか、モレがないかを検証(Enableプロセス機能も合わせて)。

  b. 中位管理職(課長)は、自分の担当分野でのプロセス改革を設計し、モレがないかを検証。

  c. 下位管理職(係長)は、それを受けて担当業務をどうプロセス改善するかを考え、仕事のやり方を変える。 

   上記の条件abcを満たさない多くの業務改革は、上からの説得力もなく、下からの反発で挫折します(「総論賛成、各論反対」)。逆に、満たしている場合、下は反発ではなく対案を示す必要があります(趣味サークルではないので)。 

2.業務改革の過程でミドルアップとかボトムアップを融合させる

       私は、この解決のために既に12年間を費やして、「ビジネスアナリシス法論GUTSY-4」および、仕事を抽象化した「業務参照モデル」を開発、適用、バージョンUPを続けてきました。

  同書でいう、 仕事の仕方は業務プロセス、暗黙のルールは業務ルールに、 組織の価値観は上位職の意図を下位職に一段下に階層的に落とす方法論として。

  下位職は、上位職の意図を自分担当の業務プロセスに落とし込まねばなりません。それは、その意図を詳細化して自分なりに具体化して提案するという創造的な仕事です。また、逆に、上位職は自分の意図を明確に示せねば、下位職はそうした検討ができません。意図がMECE(モレなくだぶらず)でなければ、具体化や実効性の責任は上位職に存在します。

  GUTSY-4での、このトップダウンとミドル(ボトム)アップを融合させるやり方は、双方に厳しいものですが、それや合意形成を支援する沢山の技法・ツールを内蔵してます。    

  GUTSY-4によるトップダウンとボトムアップの融合    

  戦略・戦術をビジネスプロセスに構造化する方法は 

  参考図書⇒『なぜ会社は変われないのか  

  それでも、ITでイノベーションできると考える方もいるかも知れません。私は、『プロセス・イノベーション』の著者のトーマス・H. ダベンポートが来日した際に、著書にサインを貰った程ですが、ITだけではイノベーション出来ません。特に、プロセス自体が暗黙的なまま、あるは個人でバラバラな日本では、大海から小石を探すようなもの、まさに宝クジ。