「基幹」とはでググルと「物事のおおもと、中心となるもの」、「企業経営で必要不可欠なもの」と出てきます。

「基幹システム」とはとググルれば、在庫、調達、販売、生産、会計管理などと出てきます。これって、本当に正しいのでしょうか? 一般の会社では、実際に市場へは販売代理店を通していることが多い。これって、卸・代理店に売るのは本当に販売?

  企業経営で必要不可欠なのは、市場競争力のある製品・サービスを設計・開発することではないでしょうか? 

1.企業の基幹業務は「研究・開発」

  私は、企業の基幹とは「研究・開発」(流通業だとマーチャンダイジング)、そしてその前段である「マーケティング」だと確信します。

  他の業務はアウトソーシングできますから、基幹ではないでしょう。本当の基幹ならばアウトソーシングはできません。シスコ社は、製品を開発していますが、自社生産はしていません。販売や流通もアウトソーシングできます。

  では、企業の「研究・開発」業務について、ITシステムは今まで支援できたのでしょうか? 情報システム部門は何の支援ができてきたのでしょうか?

2.「研究・開発」業務 vs 販売・生産業務

  ビジネスプロセスの観点からすると、両者は相当に異なります。

(1) 販売・生産業務など

  これに大勢の人が関わります。完全に文書化されていなくとも、業務の引き継ぎも割と容易です。そして、一連のプロセスでは、最終のチェックポイント的プロセスがあります。たとえば最悪、発注では調達先へ誤った注文書が出なければ良い、生産では出荷前検査。

(2)研究・開発業務

  (1)ほど多くの人は関わりません。開発途中で退職されると、引き継ぎは非常に困難です。開発には完璧なチェックポイントはありません。新製品の成功率は何%ですから、最終的には市場に出してみなければ分かりません。

  したがって、DRデザインレビューとか自らチェックポイントを設置しなければなりません。それでも、DRで引っかかると設計修正は大変です。その意味では、それに至る個々のプロセスをしっかりするしかありません。少なくとも、設計者の個人能力に全面依存するようではダメ。

3.ITシステムで何を支援すべきか?

  (1)では、チェックポイント的プロセスをすり抜けないように、ITシステムでチェックを掛けられます。その意味では、ITシステムはプロセス結果をチェックすることが中心です。誤った注文書が出ないようにとか。

  (2)では、プロセスを誤らなくとも、市場に出して売れなければ「誤り」です。ジュランが言うように、売れない製品は不良品ですから。

  ですから、唯一できるのは、個々のプロセスのアウトプットの品質を上げると言う、プロセス経過が最重要です。

  したがって、両者のITシステムに要求されることは全く異なります。(1)では最低限、チェックポイントでのプロセス結果だけを監視すればいい。しかし、(2)では個々のプロセスをうまく支援できなければ、それらの集合のアウトプットの品質は上がりません。「人事を尽くした」ことにはなりません。

  ITシステムへの要求では、(1)のプロセス結果のチェックは現場の人も気付きますので、かなり「ヒアリング」で済むでしょう。(2)では、個々の設計プロセスをどう支援できるか、設計・開発者と一緒に考える必要があります。すなわち「観察したり、プロセス記述で間接的に観察するとか」です。

  ITシステムは、企業の存続のために何を支援すべきでしょうか?