ビジネスプロセスに、成熟度という考えがあります。これは、働かせ方改革そのもの。

成熟度=1は組織的に統一されたプロセスがなく、個人ごとバラバラな業務実行、成熟度=2は一部が組織的に統一、成熟度=3は組織全体で統一・標準化されたプロセスが存在する状態です。

成熟度=3に到達すれば以下のメリットがあります。また、以下のどれかが満たされていなければ、ISOで要求する「組織のプロセス」ではなく、ISO認証の偽装取得となります。

1.共通用語で業務会話が通じる、役員会議で正確に意思疎通できる
  そうでない場合は、たとえば「納期」の意味が事業部ごとに異なったり、「標準品」の意味が製造と設計で異なったりして、社内の会話や役員会議で話が円滑に通ずる?
2.トップダウンアプローチによる業務改革・改善が成功できる
  標準化の前段は「見える化」です。売上数千億円以上の企業ならば海外に多くの製造子会社や販売子会社を持っています。それらの粗いレベルでの「見える化」に、約3カ月を要します(標準化以前に)。「見える化」できていなければ、業務改革・改善をできる訳がありません。

3.標準プロセスによりグローバル統制できる  
  「見える化」と「標準化」できていなければ、本社戦略を世界にグローバルに展開し統制することは出来ません。海外拠点への指示は精神論になってしまいます。さらに、その標準プロセスは、常に他社とプロセスベンチマーキングすることで向上させ続けています。
4.自主規制、法規制やISOなど各種規制へ自然に対応できる 
  ISOはプロセスアプローチとして、「組織として標準化されたプロセス」を要求しています(そうでないと出荷製品の全数検査が必要)。さらに、事業方針と各種規制は整合性をもって、現場に反映しなければなりません。たとえば、事業部の業績評価基準と人事部のそれとが相互矛盾してはなりません。

5.標準プロセス上に自社独自のプラクティスを開発・搭載し、他社と大きく差別化できる 

  平均勤続年数5年の海外企業では、個人に依存しないよう標準化する反面、この上に企業独自のベストプラクティスを開発し、企業全体の生産性を向上させています。3M社の研究開発プロセス然り、日本IBMでの営業プロセス然り。日本では今野製作所では、同一人員でETO品の売上10倍に。 
6.業務担当者が円滑な引継ぎ

  日本のある大企業で情報システム部門が質問しました「その業務は何のために実行しているのか」、業務担当者の答え「課長から言われてやっています」。その課長は? 一方、米国は平均勤続年数5年ですから、標準化されたプロセスがなければ、会社は回りません。

7.正しい組織設計が可能、そして個人の職務記述書が自然に出来上がる
  超大企業の調達センターを訪問して驚きました、「集中購買しかしていない」。調達と購買の正確な区別がありません。現場では、購買の納期遅れが頻発。

  組織の役割が組織設計されていなければ、そこに所属する個人の正当な評価は出来ません。たとえば、東南アジアでは優秀な人材は評価が不明確な日本企業へは入社しないとも言われています。日本では訳の分からない総合職?
8.内部統制を含めた業務監査が機能する

  標準プロセスが無ければ監査計画は立案できず、表面的で形式的・モグラ叩きに終わります。ですから、会社法でも証券取引法でも、業務監査を義務づけている筈なのに、出荷時の品質偽装が発生したりします。たとえば、IBMのグローバル業務監査の厳しさとは段違い。 

9.ITシステム構築費用が安くつき、かつ「攻めのIT活用」ができる
  IBM米国本社ではプロセスへの権限・責任をCIOに付与(1980年代)したと聞きました。日本企業のCIOはITだけ?それではITの効果は出ません。これは1980年末に実証されています。

  日本企業のほとんどのITシステムは、お金や会計につながる部分だけを支援する結果管理だけ。「攻めのIT」では、新製品開発のようにプロセス経過の支援が重要なのに。たとえば、新製品開発プロセスが標準化され自社のベストプラクティスが搭載されていれば、 世界3極でコンカレント開発することで、開発期間は1/3にできるのに。
10. M&Aの際に迅速に相乗効果を発揮できる  
     2004年の HPとCompaqは3カ月間でプロセス共通化を終えています。日本の経営統合は何もせず、会社名が変わって足し算だけで相乗効果が出ません。

以上、未整理なまま羅列しました。ビジネスアナリシス方法論GUTSY-4は、上記への対応が不十分な項番もありますが、13年間をかけて次々と拡張してきました。日本企業の真の復興を願いつつ。